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2007年04月06日(金) またひとつかしこくなりました。

酒井順子さんのエッセイを読みながら、え!と声をあげてしまった。
知人と食事に行ったら、彼女が品書きの「冷麺」を冷やし中華のことだと思っていてびっくりした、という内容だったのだが、私はそれを読んでびっくりした。
「えっ、冷麺と冷やし中華って違う食べ物なの……?」
私もそのふたつは呼び方が違うだけで同じものだと思っていた。酒井さんによると、「韓国のゴムみたいな感じの麺にスープがかかってて、キムチとかのってるやつ」が冷麺だという。
それなら一度食べたことがある。焼き肉屋で誰かが食べていたのをひと口もらったのだが、麺は糸コンニャクのようで食感は本当にゴムだし、ちっともおいしくないと思ったのだった。ああ、そういえばあれも冷麺と呼んでいたっけ……。いや、あれこそが冷麺だったらしい。
で、私がずっとそれと信じて疑わなかったハムや錦糸玉子やきゅうりがのっかったものは「冷やし中華」。たしかに夏になるとラーメン屋の壁に「冷やし中華始めました」の貼り紙を見かける。
しかし私はその名称にはなじみがなく、いつも「冷麺ください」と言っていた。けれどもゴム麺が出てきたことは一度もなかったため、今日まで認識を改める機会がなかったのだ。

過去にも似たようなショックを味わったことがある。
大学生のとき、部屋に泊まりに来た友人と翌朝のパンを買いにコンビニに行った。ひさしぶりにメロンパンが食べたいなあと思い探していたら、彼女が「あったよ」と持ってきたのはまったく別のパン。
「ううん、私がほしいのはメロンパン」
「だから、ハイ」
「それ、サンライズやん」
「は?メロンパンはこれでしょ」

見ると彼女が言い張る通り、袋に「メロンパン」と書いてあったから驚いた。ええっ、これはサンライズでしょう!?
「なあに、そのサンライズって」
サンライズというのは、パン生地にビスケット生地をかぶせ、表面に格子模様をつけた半球形のパン。まさに彼女が手にしているそれである(写真左)。
そして私の言うメロンパンは、ラグビーボールを縦に半割りした形で中に白あんがつまったパン。両者は味も形状も似ても似つかぬものである(写真右下)。
メロンの味がするわけでも形がメロンに似ているわけでもないのに、どうしてこのパンが「メロンパン」を名乗っているのかは知らない。が、とにかく私の実家周辺のパン屋はどこも、半球形格子模様入りパンを「サンライズ」、ラグビーボール型白あん入りパンを「メロンパン」という名称で売っていたのである。
言われてみれば、サンライズのほうがずっとメロンパンにふさわしいような気はする。しかし、私は一般的にこれが「メロンパン」と呼ばれているとは知らなかった。
最近ブームなのか、街で移動式のメロンパン屋(車)をよく見かけるが、あそこで売っているのは私の中ではやっぱり「サンライズ」である。


無知さらけだしついでにもうひとつ。
先日、友人と「おみおつけ」とはなにかということで議論になった。
私はその言葉を耳にしたことはあったが、なんのことかきちんと確かめたことはなかった。しかしその語感と、以前本で「おみおつけ色をした海」という表現を見たことがあったのとで、味噌汁のことだろうと解釈していた。
が、友人は漬け物のことだと言う。「おみ」はおみ足のおみで「御御」と書き、「お漬け」つまり漬け物を丁寧にいった言葉である、と自信たっぷりだ。
「えー、じゃあ漬け物色の海ってどんな色?」
と思ったものの、味噌汁説に絶対の自信があるわけではないから漢字まで説明されるとそうなのかしらという気がしてくる。家に帰って夫に訊いたが、「どっちかだとは思うけどわからない」という答え。
「そうだよねえ、だっておみおつけなんて言葉使ってる人、いないもん」
で、広辞苑で調べてみたら。
「おみ」は友人の言う通り「御御」だったが、「おつけ」は「御付」で味噌汁のこと。つまり「御御御付」は味噌汁を丁寧にいう言葉であった。

今日の日記にはモニタの向こうから「そんなことも知らなかったのお?」という声が聞こえてきそうだ。はい、知りませんでした。これでまたひとつかしこくなりました。