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2005年05月02日(月) 沖縄便りvol.1〜幻のサーターアンダギー

やっほー。みなさん、ゴールデンウィークをいかがお過ごしですか。
え、今日はご機嫌ですねって?
ふっふっ、なにを隠そう、私はいま沖縄にいるのだ。これまでは旅先のホテルの部屋にネット環境があっても閲覧しかできなかったけれど、年明けにサイトをエンピツに引越したので、こうして更新もできるようになった。かなりうれしい。

* * * * *

さて、沖縄は今回が初めての私。マリンスポーツには興味がないので、目当てはもっぱら食べ物だ。
沖縄料理といえば「豚」。牛肉より鶏肉より豚肉好きでレパートリーも広い私とは、相性はばっちりだと思う。実際、ゴーヤーチャンプルーやラフテー、沖縄そばは見よう見真似ながら家でも作るくらいだし、量は飲めないだろうが泡盛にも興味がある。
というふうに思い浮かべる美味はいくつもあるのだけれど、中でも私が一番楽しみにしていたのは「サーターアンダギー」だ。
サーターアンダギー丸いドーナツのような見た目をしたこちらの伝統菓子で、これとちんすこうは百貨店で沖縄物産展のような催しがあると必ず買ってしまう、私の大好物である。以前林真理子さんのエッセイで、那覇の公設市場の中にあるサーターアンダギー屋で食べたそれがとてもおいしかったという話を読み、その店のものを一度食べてみたいなあとずっと思っていたのだ。

ネットで調べたところによると、販売開始から一時間ほどで売り切れてしまうため地元の人でも買うのが難しく、「幻のサーターアンダギー」と呼ばれているらしい。そこで私は開店二十分前に出かけたのであるが、噂は本当で、すでに十五人くらいの人が行列を作っていた。
しかも、みなが十個入りの袋を五も十も注文するのである。おいおい、そんなに買ってどうするんだ!と目を丸くしていると、なんと私の前でストックが尽きた。
「お客様、だいぶお待ちいただかないといけませんがよろしいですか」
「は、はい・・・」(がくっ)
結局一時間待って、私はふた袋を手に入れた。

揚げたてのそれは外はさくさく、中はふんわり、それほど甘くなくて本当においしい。真ん丸ではなく、揚げているうちに一部が破裂してチューリップのように口が開いているのもかわいらしい。こうしてできたての味を知ってしまうと、いままで食べていたあれはなんだったの?という感じだ。

ここの店のものは全卵ではなく卵黄しか使っていないため、一週間やそこいらでは固くならないのだそう。
「わーい、いいお土産ができた。これだけでも沖縄に来た甲斐があったというものだ」
喜び勇んでホテルに戻り、コーヒーを入れる。が、ミカン大のそれをかじりながら、ふと思い出した。
「そういやサーターは砂糖、アンダギーは揚げ物って意味だっけ」
こんな恐ろしい名前がついたお菓子はちょっとほかにないだろう。出発前に友人から「帰ってからダイエット道まっしぐらにならずにすむよう食べ過ぎには注意してね」と言われたけれど、それは無理な相談というものよ。
何日か後には船で台湾に向かう。これまたおいしいものがたくさんあるところだ。帰る頃にはずいぶんと人間的厚みを増した自分の姿が目に浮かぶ。
そんなわけで、近く日記書きの友人と会う予定がふたつほどあるのだけれど、話が来た段階で「六月以降にしてね」と言ってある。ああ、われながらこの手回しのよさが憎い・・・。


さて、市場ではほかにも面白いものを見たのだけれど、つづきはまた。