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2004年05月26日(水) そんなつもりじゃ……(前編)

数日前にアップした「右か、左か」というテキストの中で、
「私は利き顎が右だから、人の左側にいなくては落ちつかない。男性とちょっといい雰囲気になっても、自分が右側を歩いていたらさりげなく腕をからませるといった真似はできない気がする」
と書いた。そしてそのあと、私はある男性日記書きさん(Aさんとする)にこんなふうに“つづき”を話した。
「すてきな男性と歩いていて、手をつないだり腕を組んだりしたいなと思っても、右手でならすんなりできそうなことが左手では無理っぽい。だから、そういうことを自制しなくてはならないシチュエーションでは、私は相手の右側を歩くようにすればいいんです」
いい感じでお酒が回り、夜道を歩きながらステディな関係ではない男性とちょっとしたスキンシップをしてみたいと思ったことは、多くの女性に覚えがあるだろう。しかしながら、Aさんの返答は私を少しばかりあわてさせるものだった。
「女性から腕を組んできたら、男が勘違いする可能性はかなり高いと思いますよ。ふつうはOKサインだと思うでしょうね」
私ならそのままホテルに行っても不思議はない、とおっしゃる。OKサインとは、つまりそういう意味だ。
そして、そういうスキンシップを望む相手に対して「抱かれたい」という気持ちはないのかと不思議そうに尋ねるのである。
「いやいやいや!」
モニターの前で、ちぎれんばかりに首を振る私。腕を組むのとホテルに行くのとはまったく別次元にある事柄である。
気分が高揚したついでにいたずら心や甘えのようなものが働いて、同性の友人は与えてくれない「なにか」をちょっぴり求めたくなることはある。が、「腕を組んで歩いてみたいナ」は文字通りそれだけのことで、その先に望むものはない。
だから、そんなことをしたら「お、脈あり」なんて思われてしまいそうな相手にはもちろんできない。そのあたりの気持ちをちゃんとわかってくれる人を選ぶもん。
しかし、Aさんはそんな私に「小町さんはオトコという生物を誤解しているかもしれない」と言う。
「たとえ友人であっても女性から腕を組まれたら、男がそちら方面のことを考えないはずがないのです。立場上、心のままには行動しないだけで。オトコと思わなくてもよいのは、親兄弟を除けば第二次性徴期前の子どもくらいのものですよ」  (後編につづく)

【あとがき】
ありますよね、恋人でない男性と一緒にいるときに手をつないでみたいなとか思うことって。料理が美味しかった、夜景がきれいに見えた、会話が楽しかった、もうちょっと盛りあがりたいの、な気分のときに。相手がどういう反応をするか見てみたいという好奇心もあります。あ、でも安心してね、もしあなたに腕を組んでくる女の子がいたら、きっと「その気あり」だから。私みたいな「腕組みたい、まじでそれだけ」なんてトンチンカンなのはあまりいないと思うから、誘ってあげてね。