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2004年05月24日(月) 匿名にする理由

親しい日記書きさんとの会話やいただいたメールの内容に日記の中で触れたいと思ったとき、多くの書き手がそうしている(であろう)ように、私もまた「あの話、書いてもいいですか?」と先方に確認を取る。
そして、「どうぞお好きに」と言ってもらえたら、私がもうひとつ追加で尋ねることがある。それは「発言の主があなたであるということを読み手に悟られないように書いたほうがいいですか?」だ。
日記に誰かのことを書くとき、私は基本的に「ある友人が」「ある日記書きさんが」にすることにしている。相手の名を出さなければ話ができない、あるいはそれを明かしたほうが面白くなる場合を除き、リンクを張って、誰それさんとなにをしたと書くことはない。
私はお付き合いのある書き手のほとんどと活動の場所、すなわち登録している日記リンク集を共有しているため、読み手の輪が重なっていることが予想される。確かめようはないものの、その重なり具合が半端でない場合もきっと少なくないだろう。相手によっては「八十パーセントくらいかぶってるんじゃないか」と思うこともあるほどだ。
そんな中で、私が「○○日記の△さんと食事をして、これこれこんな話をした」と名を出して書いたとする。当然ながら、読み手には私と△さんが付き合いがあること、どのくらい親しい関係かといったことが伝わる。それは私が自分のプライベートを明かすに留まらず、△さんの交際範囲や行動をも第三者(読み手)に公表することになるということだ。
相手のプライベートをも自分が語ってしまう----了解を得ているとはいえ、これは意外とデリケートなことではないだろうか。多少デフォルメして書くこともあるし、私自身の評判が読み手の中の△さんのイメージに影響を与えないとも限らない。オフレポはお祭り事だから遠慮はないが、それ以外ではとくに必要がなければ匿名にする。そのほうがのびのび書けるし、こちらも気が楽なのだ。
ただし、名を伏せただけでは、両方の日記を読んでいる人には「これって△さんのことでは?」とピンとくることもあるだろう。それは書かれた側にとっては恥ずかしいことかもしれない。
また、△さんが男性である場合にはこんなことも思い浮かべる。ピンときた人の中に、彼が水面下でアプローチ中の女性が混じっていたらどうなるであろうか。
「ま、あの人ったら私以外の女とも親しげにやりとりをして。きっとあちこちに粉かけてるのね」
なんてことにもなりかねないではないか。「うん、そういうこともあるかもしれないわ」と私に気を回さずにいさせない(活動的な)男性も周りにはちらほらいるのだ。
そんなわけで、日記中での露出の程度を決めるため、私はあらかじめ「万が一にもばれないよう配慮する必要がありますか?それとも、わかる人にはわかっちゃってもかまわない?」と確認する。

次回はある男性日記書きさんとメールで話したことについて書く予定。この方の返事は後者だったので、ぼかしは少なめで書かせていただこう。

【あとがき】
誰かのリンクページを見たら、びっくりするほど自分とブックマークしている日記が重なっていることがあります。こういう系統のテキストが好き、というのは存在するものなんですよね。仲良しと話していて、その人の口から出た日記書きさんを私が知らなかったり、読んだことないわ、っていうときはほとんどありませんし。私はいまふたつの日記リンク集に登録していますが、ある層の書き手さんとは読み手が恐るべき確率で重なっているのではないかと思います。