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2002年11月22日(金) サイト開設二周年

今日、わがサイトはめでたく開設二周年を迎えました。ぱちぱちぱち。
これを機にコンテンツを整理し、一年以上放ったらかしにしていた結婚関連のコーナーを削りました。後学のためにと更新を待っていてくださった方、「そのうち、そのうち」と言いながら約束を守れなくてごめんなさい。
ついでに模様替えもしてみました。「仕事中にこっそり見ようにも派手すぎる」と言われていた壁紙ですが、これでうんと見やすくなったでしょ。さあさ、これからはばんばんアクセスしてちょうだいよ!お昼休みにね!
というわけで、コンテンツが日記と自己紹介だけという、ネット初心者がうれしがってつくる個人サイトの典型みたいなページの誕生です。とっくにそうだったじゃんとかいうツッコミはなし。
サイトのタイトルも『われ思ふ ゆえに・・・』に変更しました。あ、結婚をススメたくなくなったからってわけじゃないからね。念のため。
リンクを張ってくださっている方にはお手数をおかけしてすみません。

二年間を振り返ると、「よくここまでこられたなあ」というのが素直な感想だ。
といっても、「しんどかった、長かった」という意味ではない。私は一日分を書くのに三時間はかかるのだが、それだけの時間を確保しつづけることができた。それは私の生活が安定したものだったからこその成果だから、私はいろいろなものに感謝したい気持ちでいっぱいだ。
と同時に、自分に対する「私、けっこうがんばったよね」という誇らしい気持ちもある。
サイトをはじめるとき、「及第点を与えられるテキストが書けなくなったらやめること」を自分自身に約束した。旅行明けなどしばらくぶりにパソコンに向かうとき、私はいつも「書けなくなっていたらどうしよう」と恐る恐るキーボードに触れる。
それでも、いまこうして385本目のテキストを書くことができている。幸せだなあとしみじみ思う。

いま私が手にしている交流のすべては私が書き手であったから生まれた関係であり、またそのほとんどが書き手であるから存続している関係である。
ネットの中の友人関係というのは本当に微妙なものだと思う。ちょっとした風向きの変化でバランスが崩れ、明日から他人になることだって簡単だ。
二年のあいだに一度だけ、「やめてしまおうか」と真剣に考えたことがある。しかし、ふと思った。
「小町」という名をなくしたら、これまで「書き手と書き手」というスタンスで接してきた日記書きさんたちとの関係はどんなふうになるんだろう。サイトをお持ちでないロム専門の人たちとの付き合いは?
私は「やめられない」と思った。そんなことで消滅するなら本当の友人とはいえないとおっしゃる向きもあるだろう。しかし、文字をよすがに繋がるネットの人間関係というのはこのようにもろく儚いものなのではないだろうか。
「日記書きさんに100の質問」の中に「閉鎖したら困る日記はありますか?」という質問があるけれど、あると答えている人を見たことがない。回答のほとんどは「寂しいと思うサイトはあるけど、困らない」である。しかし、「リアルの友人でいなくなったら困る人はいますか」と聞かれて同じ答えができる人はいるだろうか。
これがオフラインとオンラインでの人の交わり方の違いだろう。「友人」という言葉を使って言い表す関係でも、両者の性質はかなり異なる。
でも、それでいいのだ。いつ手の中から転げ落ちてしまうかわからない不確かなものだけど、それがネットの友人の特性。そういうものなんだと私は素直に受け入れる。
日記を何年読みつづけようと、メールを何百通やりとりしようと、知ることができるのはその人のごく一部。だけど、当然じゃないか。文字や写真だけでパズルを埋めきれるほど人は薄っぺらな存在ではない。
壊れやすいから本物ではない、一部しか知り得ないからリアルの友人に比べて価値が低いとは思わない。そのデリケートなものを守りたいと願い、保つことができているうちはうんと大切にしようと思う。これも新しい友人関係の形態であるはずだ。
三年目突入。今日もあなたがそこにいてくれてうれしいです。

【あとがき】
別れも含めたすべての出会いに感謝している。この世界があることを知ることができてよかった。本当に。