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前まで自分の頭の中で描いていた理想像が
目の前に現れるなんて思ってもみなかった。
それに、自分が
あんなに初対面やそこらの人に対して
落ち着いて素の自分でいられるだなんて思わなかった。
笑われることを恐れることもなくて
自分の失敗から笑いを誘おうとするなんて
家族の前でしか見せられなかった自分なのに。
その人の前では、はじめから繕うことさえしなかった。
否定文ばっかり。
素直になりたい。
相手を少しづつ、知っていきたい。
一気にじゃなくっていいの。
だって、土日はバイトだし、今日から実験のレポートで大忙し。
土日バイトのくせに毎週月曜提出ってどーゆーことっ!?
英会話は週2になったし、バイト以外に事務所に週2で通わなきゃいけない。
講義の内容も難しくなってきた。
そういう風にあくせく毎日を過ごすことさえ
彼のため、のような気がする。
見た目はね、かっこよくないんだ。
友達にも何度も言った。
そうやって、惚れてしまった自分を
もしもうまくいかなかったとしても傷つかないように慰めてる。
彼は私にとっての理想だけど
私が彼にとっての理想だとは限らない。
好意を持たれていることは事実なのかもしれない。
問題なのは
私が人を信用するのが下手だってこと。
信用は一度裏切られたら取り戻せない。
まだ裏切られてもいないのに
まだ何も始まってはいないのに
そんなことを考えるのは、取り越し苦労なのかもしれない。
単に惚れっぽい性格なのとは別だ。
現時点で、自分を騙そうとしていない。
今までの出会いで理想とかけ離れた相手を見て
自分を騙してきたことを私は分かってたけど
それでも自分を騙してきた。
この人が運命なら
わたしはこの人をずっと知っていた。
だって私の頭の中にいたから。
彼は江国さんの「きらきらひかる」の睦月みたい。
クリスマスには絶対に最新式の天体望遠鏡をプレゼントするんだ。
来週か再来週、用事があって彼がうちの大学へ来る。
その時、きっと会える。
それまでに彼女が出来ちゃったら、その時は
その時は・・・・・・
そんなこと考えてなかったよ。
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