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大きな音、とりわけ破裂音が苦手な息子。
それでも風船が割れるくらいではびくともしなくなった。 風船をみただけで泣いてしまう時期が長かったので母は嬉しい。
だが、今もって息子の天敵とも言える音がある。
それは母親の声
学生時代、演劇とか合唱とか放送とか、そんなのばっかりやってて 大人になってからも社会人合唱団を趣味でやって丹田(へそ下)呼吸法 なんかやってたせいか、私は時々ものすごく大きな声を出してしまう。 それは正に、破裂するかの如し。
いつもでは無いんだけど、何かの拍子に爆発したような大声になって しまう事があるのだ。本当にたまに。
「Rちゃん、何してるの。お母さんに見せてよ」
見るともう泣いている。びっくりしたらしい。 「お母さんなんか嫌いだ〜っ」と言って、祖母ちゃんに 「お母さんは突然大きな声が出るんだから!仕方ないんだからあんたも そんな事で、いちいちメソメソ泣くんじゃないっ」 と、逆に叱られている。私はしょんぼりしている。
こうなってしまったきっかけが、全く無かったわけではなくて、酷く失礼な 間違い電話に、猛烈に腹を立てた私が、相手を怒鳴りつけた事があった。 その時は腹の底から大きな声で、凄みながら怒鳴った。 それを耳にした息子は、しゃくりあげる事もせず、ただずうっと涙だけ 流していた。それからこうなってしまったと言う気もする。
私が息子を叱る時、これまで案外 大声は出していなかったらしい。 「大人に言うようにネチネチ言う」と祖母ちゃんに言われた。
息子も怒鳴る母が怖く悲しいと言うわけでもない様子なのだ。 問題はビックリする事で、私が耳のそばで突然、破裂したような声を 上げる事の様なのだ。
「明日学校は算数と国語だっけ?」
泣いている。わざとじゃないのに。
息子の方から耳を寄せて来るようなウィスパーボイスになりたいな。
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