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| 2006年02月05日(日) |
片想いの話とか、スイートピーとか毒。 |
懐かしいアルバムを聴いた。 む、「懐」と言う字と「聴」と言う字はちょっとだけど似てるな。 塊魂(PS2のゲーム。未プレイの方は是非一度)みたいだ。 それはともかく。
懐かしいアルバムは昔々、片想いの人の家で聴いた物だ。 片想いの人は私より五歳、お兄さんだった。
恋に理由も理屈も要らない。その人の事が何故好きなのかも 当時の私には全然判らなかった。
趣味も話も、全く合わなかった。合う部分を必死に探したが 中々見付からない。そうなると、どちらかがどちらかに合わせるしか ないのだが、彼が私に合わせる理由はどこにもないので 私が早見優を聴く事にした。 それと北斗の拳も少し読んだ。
私は当時、営業陣のお茶入れ係りだった。 そこはやっぱり乙女なので、とても丁寧に入れる珈琲と薄くても いいかな?で入れちゃう珈琲が出ても致し方ないと言うものだ。 一番丁寧に、好きな人の珈琲を入れる。 どうせろくに口にせずに、さっさと外へ営業にってしまうのだが 実は喫茶店で良くサボっていた。余り一生懸命仕事する人ではなかった。 判っていても、そんな事は関係ないのだった。
「今日も朝、優ちゃんの声で起きたんだ」 「私も優ちゃん聴きましたあっ。いいですよね優ちゃんの歌はっ」 思い出すだけで、もういやんなっちゃいそうな会話だが、恋は魔法。 カラオケで早見優を歌う私。あと、その人が好きな歌だと言う事で 松田聖子の赤いスイートピーを熱唱する私。 「♪せんろ〜のわ〜きのつぼ〜み〜はあ♪」
スイートピーは線路の脇に咲くんだろうか?野生のスイートピーは赤い色を しているのだろうか。何となく聞けずにしまい込む。 北海道ではスイートピーは野生化していない。冬を越す事が出来ないからだ。
運が良い事に、好きな人の飲み友達が 私を良くからかって遊んでくれる お兄さんだったので、飲みに行く時は良く仲間に入れてもらった。 好きな人の言う事は、実は当たり前すぎて面白くなかった。 魅力的でも、ちっともなかった。 でも毎回毎回、念入りに相槌を打つ。恋とはそう言うものなのだ。 「オレの言う事、判ってくれるのは焙煎だけだよ、なあ焙煎っ」 判ってないけど・・・といつも内心では思ってて、思っている事が ばれるんじゃないかとびくびくしていた。 気の合う方のお兄さんが、全部見通したような目でニヤニヤしながら こっちを見ていて、随分腹が立ったものだ。 だけど歳が幾つか上なだけで、当時は全くかなわない気がした。
どうしてそう言う経緯になったか、その辺りが定かではないのだが 好きな人の家にお邪魔する事になった。 そこは古い6畳と4畳半くらいのアパートで、壁に優ちゃんが 貼ってあるかと思ったらそんな事はなく、殺風景だった。 ステレオがあって、万年床がある。
優ちゃん大好きと言ってた割に、優ちゃんのレコード(当時)はなく ジャズと洋楽のアルバムが何枚もあった。 その中で、私が持っているのと同じアーティストのアルバムを見付けた。 「これ、好きなんだよね。聴く?」
そこで、そのアルバムをかけて貰う事にした。 良く知っている曲を、来た事のない場所で聴く。
考え方も価値観も違う。その事についてあれこれ話したいと言う 気持ちにもなれない人。 同じアルバムをたまたま持っていたと言う事以外は、何の話す事も 本当はないのだと言う事に、気が付き始めていた。 それでも好きだってのが、やっぱ恋とゆ〜もんなんだろう。
当たり前のように私は失恋してしまう。あいたたた〜だ。 その後の彼については、ほとんど全く判らない。 ただ、やっぱりそのアルバムを聴くと、当時の自分の 良く言えば純情 悪く言えばかなり頭の悪そうな言動の数々が浮かんで恥ずかしい。
ちなみにスイートピーだが、原種は元々レンガ色をしているそうである。 つまり赤に近いのだ。園芸品種で様々に色変わりした物も野生化すれば 元色の赤に近くなる事は考えられる。線路脇で野生化しているかは ちょっと判らない。作詞の妙かもしれない。
全く関係ないがスイートピーの仲間(レンリソウ)には毒がある。 スイートピーにも毒はあって、頚椎麻痺と言う変わった症状が 牧草地で野生化したスイートピーを食べた羊に見られたそうである。 園芸品種については、食べるのが怖いので正確な事は判らないが 線路脇のスイートピーも、食べない方が無難だと思う。
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