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2005年08月05日(金) 耳の側で飛ぶ蜂。


金縛りと言うのはかかる人とかからない人が居るらしい。
少数だが訊ねて見たところ、かかったと言う人の割合の方が少なかった。
訊ねた相手に偏りがあった事は否めないが、それにしてもかかるのは
女性が圧倒的に多かった。

昔 友人から 慌てた声で職場に電話が掛かって来た。
「今、お化けと戦って追い払ったところなの」
彼女は幽霊を見たと主張する人ではない。話を聞くとどうやら金縛りで
あるらしい。だが、幾ら言ってもお化けだと言って聞かないのである。
後で判った事だが、彼女はほとんど間を空けず ありとあらゆる友人に
電話をしていた。
会社で変な格好で昼寝してた事を自ら広めてどうする気なんだか。

とは言え、彼女がどうしてもお化けと戦ったと頑張る気持ちも良く判る。
過去の幽霊遭遇譚にもかなり、この金縛りが混じっているだろう。
耳元で息を吹き掛けられる。 身体の上に何かが乗っかる。
髪の毛が顔にかかる。
それはもう、夢の一種とはとても思えぬリアル感である。
金縛りの特徴として良く言われる「声が出ない」「身体が動かない」も本当。
だが、自分は周囲が見えていたと思っているのに、相手は寝ていたと言う。
多分寝ているのであろうが、脳みそがこむら返りを起こしたくらい理不尽な
体験である。 でも こむら返りより後に残らないから楽だけど。

私は金縛りになり易いので、馴れたと言うか、何か始まったら寝直す事に
している。身体にもきっと、それが良いはずだ。 頭と身体の疲労の仕方が
違っていたりと言う事が金縛りのきっかけになると 聞いた事がある。
触られるのも、息がかかるのも大抵はもう平気。が。

暑さと人混みで 途中でダウンした息子と母を家に置いて、買い物を続けたら
疲れてしまった。夕方、私は椅子の上で眠ってしまった。
だがは起きていた。そう言う事であったらしい。
ぶ〜ん、蜂の羽音が耳元で聞こえる。耳の直ぐ側だ。身体は動かない。
金縛りだが、私はこれまで聴覚に来た事は無かった。
何者かが耳を触る気配すらする。ひい。
「・・・・・・」声が出ない。 身体は勿論動きません。
おかあさ〜ん。ハチだよ〜う。助けてよ〜う。刺されるよ〜う。
さすがに怖くて必死に伸ばす自分の手の先が見えるのだが、後から考えると
それすらも夢であったらしい。
「んぐわっ」
物凄い声をあげて、私は目を覚ました。
ハチの姿はどこにも無かった。

この間、母は庭の雑草を取り、息子は自転車を乗り回していた。
ちょっと面白いのは、私がそれを知っていたと言う事だ。 は起きて話を
聞いていたのである。 庭、花。頭の上では扇風機が 蜂の羽音よりは
ずっと静かだが 弱い風を出していた。
幾つかの条件から頭が作り出したのが耳元で飛ぶハチと言う事だ。
でもこれが 冗談じゃないぞってくらいリアルなんだよね。ううう。

悪い薬とかやった事は無いけど、バッドトリップってこんな感じなのか。
そう言えば、金縛りは不思議と快感を伴う物はないです。
話に聞くのも怖かったと言う物ばかり。
まあ、疲れてるからなるわけで・・・何かが余ったり溜まったり
なるわけじゃないから そうなっちゃうんだろうなあ。





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