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2005年07月27日(水) アリゴロシ。


生き物の命を楽しみで奪ってはいけない。

子供にはそう教えているけれど、本来子供は残酷な一面を持つ物。
自慢じゃないが私の幼少期はそりゃあ酷い物だった。

「昆虫採集セット」悪名高きころす液くさらせない液
・・・どっちもただの色水なんだよね。
でも欲しくって欲しくって、余り物は買ってくれない家だったけど(貧乏)
これは粘って買ってもらった。
毎日毎日昆虫採集、と言ってもしょぼい不快虫とか捕まえては
「ころす液〜」とかやってた訳です。 それも小学校も3年生を過ぎてから。
花火で虫を焼き殺したらどうなるのかとか、首の取れた虫はしばらく
生きてるとか、経験で知ってるんだよね。
やるんですよう、子供は一時期みんな。普通は男の子が多いらしいけども。

「オレはアリゴロシだ」
布団をかぶって息子が言う。友達がどんどん踏み潰して遊ぶのを止めたら
「オレは強い、アリはよわっちい」と言うシンプルな一言が返って来て
どうしていいか判らなくなった挙句、一緒に踏んだと言う。
だが、やっていて納得出来なかったし、楽しくもなかったらしい。
友達が楽しそうにアリを踏むのが悲しくもあった様だが、それを上手く
表現できない。
「Rがアリを踏むのが嫌なら、その時は知らん振りして離れて遊べばいい」
踏みたい奴は踏んでりゃいいんだし。

生き死にに余り神経質になるのは良くないが・・・命は大事で 小さな生き物も
同じと教えては来た。どう捉えて行動するかは、息子が決める事だしなあ。
でもまあ、私も昆虫採集セットは大好きだったが、それはセットを使って
見たかった
からで、別に虫を殺すのが好きだったわけではないのだ。
結果として死んでしまうと言うだけで。
息子もあのころす液、くさらせない液を見たら使ってみたいと
思ったに違いない。 道具に対する興味には勝てまい。
で、結果として虫は死ぬのだ。
花火の時だって「・・・どうなるんだろう」と言う興味がまず先だった。
ほとんどの子は好奇心からした事が 結果を見ると大変残酷な事に・・・って
事になってるんじゃないのかなあ、と思うんだけど。

「悲しかったら、もうしなきゃいい。お母さんもRくらいの頃は
虫を一杯、殺した事もあるしさあ」
「お母さんも、殺したのかっ」 詰問調。何を偉そうに。
「生きているって余り判んなかったんだもん。判ってたら殺さなかった」
「そうか」 そうだよん。 あと怪しげな色水の魔力に勝てなかっただけだよん。
「いやだったら、殺さないで離れて遊びなさい」
私がもっと叱ると思っていたのだろう。息子は安心したように静かになった。
階下へ降りる時、「だいすき〜」と言う声が部屋から何度も聞こえていた。
罪悪感を持っているなと感じた時は 取り敢えず赦すってのも
大事なのかなと、こちらも少し学んだ夜だった。

それと、アリは強いんだぞ〜。噛むと痛いよ。
私は一通り虫を殺してもいるが、噛まれてもいるのだ。
トンボも痛いぞ〜キリギリスも痛いぞ〜。





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