もうちゃ箱主人の日記
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遅くなりましたが、鰍沢(かじかざわ) について
圓楽師匠が故・圓生師匠から聞いたこととして語っていたが 圓生師によれば 「(この噺は)噺としては、取るに足らない作品であるが こういうつまらない作品を面白く聞かせるのが 話者の技倆だ」
…ということだ。
たしかに 大山参り帰りの江戸の商人が山で道に迷い 一夜の宿を求めたところが、山賊の家で その妻が昔、江戸で女郎をしていた女だった。 (細部は違うが、《ワルキューレ》みたいね……(^^;)) その妻に毒を盛られたが、毒消しのお札で難を逃れ 逃げ出したものの、脚がもつれ谷川に落ちる。 後を追った女に、猟銃で撃たれ、イカダがほどけ その木片で溺れるのから助かる。 オチは、「お題目(ザイモク)で助かった!」 という、地口サゲ。
スジは、ご都合主義で、陳腐極まりない。 (作者 円朝は三題話を発展させたと伝えられているが、 この真偽は疑問とされているようだ)
こういうしろものを、「傑作」に「変身」させるのが 「芸の力」という圓生師の説には、説得力がある。 実は、その後に、 「この噺は、自分(圓生)が一番ウマイ!」 と言う意味がかくされているようのだろうが (笑) いかにも圓生師らしいエピソードと思う。
(余談だが、陳腐な作品を、「傑作」みたいに 聴かせる音楽家といえば、カラヤンをおいてない、と思う。 彼の手にかかると、《ラ・ボエーム》がワーグナーの楽劇みたいに 聞こえる……(^^;) 憎まれ口をきくなら、 反面、モーツァルトの「傑作」を「駄作」にしちゃうことも……(^^;))
さて そんな「鰍沢」を換骨奪胎したのが 平岩弓枝・作の 「笠と赤い風車」! おそらく戦後に作られた古典落語最大の傑作といっていいと思う。
噺としては、実によくできている。
先代 正蔵師匠(後の、林家彦六)に宛、作られたが 現在、何人か継承している。
さて これを 「鰍沢」と比較して聞くと…
あとは、また後日ということで(笑)
(一度、彦六師のCDを、聞いてみてください)
もうちゃ箱主人
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