もうちゃ箱主人の日記
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2005年01月12日(水) 小林秀雄の『モオツァルト』から

モーツァルトの肖像画の話題に触れているうちに
久々に 小林の『モオツァルト』を
 読んでみたくなりました。

私にとっては
「敬して遠ざかる」存在ですが
いつか きちんと相対しなければと思っています。

さて、小林は
ランゲの画について、次のように述べています。

「僕は その頃、モオツァルトの未完成の肖像画の写真を
 一枚持っていて、大事にしていた。
 それは 巧みな絵ではないが、美しい女のような顔で、
 何か恐ろしく不幸な感情が現れている奇妙な絵であった。
 モーツァルトは、大きな眼をいっぱいに見開いて
  少しうつ向きになっていた。
 人間は 人前で こんな顔ができるものではない。
 彼は 画家が目の前にいる事など、全く忘れて了っている
  に違いない。
 二重の瞼の大きな眼は何にも見てはいない。
 世界はとうに消えている。
 ある大きな悩みがあり、彼の心は、それでいっぱいに
  なっている。
 眼も口もなんの用もなさぬ。
 彼は一切を耳に賭けて待っている。
 耳は動物の耳のように動いているかもしれぬ。が、
  頭髪に隠れて見えぬ。
 ト短調シンフォニイは、時々こんな顔をしなければ
  ならない人物から生まれたものに間違いはない。」


今日はここまで……(^^;)


もうちゃ箱主人