もうちゃ箱主人の日記
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2004年12月10日(金) 神戸詩人事件

西脇順三郎の詩の受容史を考える時
避けて通れないのが、「神戸詩人事件」なのだが
この検討はいまだ十分になされていないようだ。

新倉氏による最新の『評伝 西脇順三郎』には、この項目が
すっぱり欠落している。
西脇氏晩年の側近による著書だけに、やむを得ないが
(西脇本人には、口にしたくない思いでであろうし)
どのくらい不愉快がっていたのか、だけでも触れてほしかった、
と思う。

権力側の想定した構図は
シュールレアリスムの総帥ブルトンのコミンテルン接近(やがて
 離反する)
を受けた日本モダニズム陣の精神的主柱が、「西脇の詩」と
いうものなのだろう。

西脇本人にとっては、自らの預かり知らぬところで起きた
「迷惑な」事件であったろうが、戦前の西脇詩にそうした一面が
内包されていた(少なくともそう受け取られた)ことは、事実で
あろう。

一見 コミュニズムなどと何のかかわりもなさそうな
西脇詩のどこに、そんな嫌疑を抱いたのであろうか?
とても気になる。(^^;)
特高課や予審判事の調書などの学術的検証が待たれる。
 だれかやってくれる若者よ、出ておいで!(笑)

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・神戸詩人事件

 1937(昭和12)年に小林武雄氏らが結成した「神戸詩人
 クラブ」のモダニズム詩人ら7人が、40年3月、兵庫県警
 特高課に検挙された事件。
 各地の左翼文化団体を指導、支援したなどとされ、小林氏は
 懲役3年の実刑判決を受けた。
http://www.geocities.jp/gpoku1/kobayashitakeo.html

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<参考>: 西脇の詩ではないが
 「神戸詩人事件」で問題にされたという詩の一部。

>思い切りみだれている黄菊、白菊
すこやかなそらのなかへめげてはな
 らないいのちをたかだかとかざし
穢れのないうたにむせびながら菊の
 系図、男の系図
それぞれまもってきた

>菊はみな菊の族によりそい
おとこはすべてを銃身にゆだね
なみだぐましいかおりと体温をたかめている

 〜岬紘三「乱菊」;詩誌『牙』(昭和11年3月)

http://www.noracomi.co.jp/takahashi/housho/shusho.html


もうちゃ箱主人