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「五月の末頃を予定してるしぃ〜」
思いついたように、長女が言った。
「なんのこと?」
「五月の末頃に、彼氏がお母さんに挨拶に来るから」
「挨拶??うちに?まさか、この居間に入るの?」
ひえ〜、ごめんこうむるよ〜。 だって、彼氏が来るのなら掃除せなあかんし。 そりゃ、今までも娘達の彼氏が家に来たことは何度もあるよ。 でも、17〜18才の男の子なんて、私の目から見たら「おしっこ臭いガキ」。 ぜーんぜん気を使わないで済む相手。
しかし、今回の彼氏はちゃう。 なんたって、御年29才。あと半年で三十路になるオトナだ。
彼氏ご訪問というより、家庭訪問に近い気分。
大体さ〜、長女や次女のゴミの山(のような)モノがあふれている居間に、 彼氏さまを招待するなんて、長女自身もイヤなんじゃないの〜?
「全然、気にしない」と長女は言った。(ー_ーメ)
「お母さんは気にするっ。」
んで、彼氏さまには、 長女とのデートの前に家に迎えに来てもらい、 玄関先で、彼氏さまに挨拶。 そう、提案した。
「そんなんでいいの?じゃ、彼氏とそういう方向で相談するわ」
長女は拍子抜けしたようだった。 それでいいじゃないよね〜。 結婚の挨拶に来るわけじゃなし。 ただ単に「付き合ってます」の挨拶なんだから。
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