大抵の名古屋人が歌える地元歌に、燃えよドラゴンズがあげられます。てか、他に思いつきません。名古屋の市歌や、NHKが頑張って定着させたかった名古屋の歌は一体何人が歌えるのでしょうか。 実は、私、「拝啓、ここは名古屋です」は歌えるのです。前述のNHKの頑張った歌で、可愛い歌詞なのです。名古屋に転校してきた少年が前の学校に手紙を書くという設定の、昔からの住人ではなく転入してきた人が歌うのが評価されていましたが………今回答え合わせをしに検索したら、歌ってるの、川崎少年合唱団ですやん。名古屋、かすってもいません。 名古屋からまた転校して行ったんかい。長期滞在じゃなかったのか。と、今ここに知る真実……。 ということで(無理やり話題を戻す)名古屋でご当地ソングが根付かないのはもはや当然なのです。 かのドラゴンズも、公式応援歌「嵐の英雄」なんぞどれだけの人が歌えるのか謎です。嵐のヒーロー、と正しく読める人ですら少数派の予感。 かつて、ナゴヤドームに観戦に行った時もバックスクリーンビジョンで嵐の英雄がかかっていたときも、あえて応援席は燃えよドラゴンズを歌い続けてました。 今では燃えよドラゴンズも公式応援歌に昇格しましたが、もともと公式だと思っている人はやたら多いはずです。すでに洗脳の域なのかも知れません。
選手名を折り込むという特性上、歌詞が毎年変わります。 未だに、私は高木守道と聞くと「一番高木が塁に出て」と歌いつつ脊椎反射のように塁に出してしまいます。今中と聞くと「いまでも愛してる」と愛の告白を繰り返してしまいます。 それくらい、人々の心に強制印刷されている燃えよドラゴンズ(伏線)。 今年は、日本一という事で、日本一バージョンが出ました。日本シリーズを讚えたバージョンです。ありがたやありがたや。 ずっと願い夢見ている日本一、がずつと願い夢見ていた日本一と変わっている芸の細かさが泣かせます。
最終戦の山井が歌詞三行、という記録達成です。しかもフルネーム記載。 ──歌詞の行数対して選手数が多いので一行の歌詞に何人も詰め込まれるのは日常茶飯事です。堂上にいたっては堂上兄弟と二人でひと括りです── 24のアウトを岩瀬に託したぞ、のくだりでは思わず涙こぼれそうです。 あと、「そして誇れよ小笠原」に至っては涙だらだら。 いいなぁ、山本正之。実に歌詞のつくりがうまい。 そうそう。試合を振り返ればまさに、 荒木が塁を盗り、井端が陣を見て、森野が空を突いて、 4番ウッズが仁王立ち。
………え。 なんか、どさくさにまぎれてひどいことを言っているような。 4番バッターが、仁王立ち。 それって、立ちふさがるというより、むしろ立ち尽くす……。 いや、確かに、そのまんまといえばそのまんまなんだけど。
4番ウッズが仁王立ち。
かつて、4番マーチン ゲッツーだ♪と替え歌があったことはあります。ありますが、さすがプロ。語感も良く、短い単語で状況がありありと浮かびます。 今後のスタンダードになるでしょう。仁王立ち。 人々の心に強制印刷されて、ウッズ、と聞く度に仁王立ちと連想してしまう人が必ず現れるはずです。(伏線回収) ある意味査定よりもシビアな世界。公式だし。
ああ、いいなぁ、山本正之。
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