水曜日。 久々のまるっとお休みでした。 そして、奇しくも、水曜日。 地元デパートで 「大九州物産展」 が始まりました。 ……家庭内に、たいそう燃えている人がおりました。新聞広告を握りしめ、びしっと指さし確認です。 「この、50セット限定の さつまあげセット が欲しい!」 「……開店時刻に行っても、それは無理です」 「なら、もっと早く並べばいいじゃない」 自分で並ばない人は気楽です。さようなら、私のお休み……。 と、大九州物産展です。 大九州は大北海道の次の人気催事だそうですが、なんか、もう、人に溢れてました。 北海道は、基本的に魚系とスゥイート系に大分されるのですが、九州は、魚系有り、芋有り、豚まん有り、と賑やかな気持ちになるのが愛されているのでしょう。おじさんたちも、積極的に、球磨焼酎に並んでいたりします。切り子辛子明太子に至っては催事場を越え、フロアを越え、下の階まで人が並んでました。そんなに皆、明太子が好きなのか。 とにかく、人と人と人と人でまっすぐに歩ける以前に、まっすぐ立つこともほぼ不可能です。テレビクルーもカメラと照明ごと流されていきました。撮影以前の問題のようです。 エレベータの中でそんなクルーの人達と一緒になったのですが、ボロボロになりながら、携帯でテレビ局に連絡をとってました。 「ダメです。人が多すぎて何がなんだか……。昼のニュースには間に合いません」 「流されたとき、机などに引っ掛かってちょっと止まると、すかさず黒酢を飲まされて、買わされそうになります……物産展っていつもこんなんですか」 いやぁ。買いに行くほうも元気ですが、売るほうもやたら元気です。さすが、大九州。 ちなみに、茶屋では くまもとラーメン屋さんが出品してました。小さな出張茶屋ですので「豚骨ラーメン」「王様ラーメン(具の大盛り?)」「特製チャーシューメン」だけという簡単メニューでした。 んでも、熊本に行ったとき、くまもとラーメンをいただいて美味しかった〜と思いつつ、浮き浮きしていたのですが、 「私は、醤油ね」 言い切る人がいました。誰とは言いませんが、冒頭でさつまあげセットを厳命した人です。 くまもとラーメンは「とんこつしょうゆ」であって、「とんこつ・しょうゆ」の二味ではない、とどう説明をしたら納得して貰えるか途方に暮れていたのですが、世間にはもっと上手がいました。前に並んでいた御夫婦に至っては 「味噌バターラーメンね」 ……無理です。それは、ふつーに無理です。勿論、熊本にだって味噌バターラーメンくらいは存在するはずですが、とりあえず、ここにはありません。この欲求の前には「醤油」というオーダーが無茶ではないような錯覚すら覚えてしまいます。とんこつしょうゆ味噌バターラーメン。いっそ、塩ラーメンも混ぜとけ、という気持ちにもなります。 「え? ないの? じゃ、札幌モヤシラーメン」 いや、だから、ここはくまもとラーメン屋さんで、それ以前にそもそも大九州展……などという突っ込みはあまりに虚しゅうございます。 思えば、物産展は、物販に特化した万博のようなもの………。 ちょっと、その、色々な意味で色々なものが心配です。
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