ことばとこたまてばこ
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海底に沈んでいる観覧車に乗ろうと 海の底へ沈みゆくわたし 頭上を仰ぎ 遠ざかる太陽の塊をゆらゆらゆらりと眺める エイの尻尾がわたしの頬に突き刺さった 色々な魚がわたしの肉をついばむ つくつくつんつんつんつん つん つん
海底の遊園地で一番の目玉 巨大観覧車にのりこんだ 水をかき混ぜるようにしてぐらんぐらあん回転がはじまる ずっずっず ずっずっず ずっずっず ずっずっず ご覧よ 遥か遠方の海面まで見渡せるわ 潮の流れまで見渡せる ずっずっず ずっずっず ずっずっず ずっずっず あの崖から落っこちると もう もどれない 暗黒よ ずっずっず ずっずっず ずっずっず ずっずっず ぎしらぐすく ぎしらぐすく ぎしらぎしらぎしぎしぎしぎしぎぎぎぎぎぎぎ 観覧車のてっぺんに居るわたしは 迫りくる地面を 眺めて ああ いまにも 倒れそう やがて地響きをたてて 観覧車は 横倒しになった その地響きは世界のことごとくを浄化せんとばかりの激しい波をひきおこした
あらゆる人種の何億もの死体が海の底へ沈んでいるそうね 海の底ではまたぞろ新しい遊園地を 観覧車を 建設しているそうよ わたしはあの暗い崖の底へ落ちちゃったから新しい観覧車には乗れないけれど 噂には聞いてる また とても 大きな 更に大きな 観覧車だってことはね
みんな遊んでいったらいいと思うよ 観覧車に乗ったらいいと思うな
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