ことばとこたまてばこ
DiaryINDEXpastwill


2006年09月05日(火) ミクシー


あの荒野に無数ロープがぴちんと張られているのね。

ロープには赤子から老人まで老若男女の洗濯物がおびただしく風に揺れている。
干したばかりの濡れたタオルに衣服、オムツをかきわけて進む、わたしがいたの。

ピタり、びしょびしょ。
ピタらり、ぴしょんぴしょん。
ピタらら、ぴしょっぴしょっ。
濡れた洗濯物がわたしの頬に、顔に、体に触れて、触れて、濡れて。


枯れて死に向かいつつある花が シャリッ 一片の花びらをこぼしたの。

雨が降ってきたのね。
暗く立ちこめる黒雲から雨粒がひとつ、ぽん、と凄い勢いで落下してね。
花びらがその勢いに堪えきれなくて、こぼしちゃったのね。

ドロドロドロと鈍く重い音の振動が胸に響いたので、
ぎくりと身を強ばらせたので、
雷雲に気づくのが遅れたので、
洗濯物を取り込もうと思う暇もなかったので、
前向きに足を踏み出して ビシャリ、ビシャリ 沼地のような
しとどに濡れた土に 美シャリ、美シャリ、 足跡 残したので、

みんな

洗濯物をたたむのを 手伝いに ここの荒野へ


来てくださいね。 わたしを哀れだと思ってどうかよろしくほんとうに!


陽 |HomePage

My追加