ことばとこたまてばこ
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2005年10月06日(木) くおんのともしび

夜も更けて周囲はすっかり暗闇に満ちた
遠い空にさえざえと光る無数の星

肌をなぜる冷風がぞくりと背を震わせた
冬の神、その御身はご存じ申し上げませぬが
この寒気! 今確かにこの場にてご健在極まれる


ひりひりと突っ張る頬
紅く染まった耳
流れ落ちる鼻水
骨の髄まで冷え切った身体
ああ 翼がここにあれば冷えた身体を包めるのに! 
やあ ははは はははは なんともまるで 孤独に寒気に気を失いそう 

なんにもない大地に自らの身体を横たわらせて 
もうろうの眼をこらしてみれば
はるか彼方で 小さな火 ちりちり ちりちり さかってる

まろびつづけながら 転びつづけながら 傷にまみれながら
荒野に映えるひとつの火 そのたもとへと向かって



たどり着いた火 潰れた瞼を越して暖かい色が伝わる
壊死の両手を口でくわえながら火に落としたら ぶわんと火の粉ぶわんと

それでも火はまだ消え尽きることを知らず燃えている


ああ、なんてことだろう
あああああああああああああ、なんてことだろうか!
荒野をさまよいし人間 臓物も出尽くさんとばかりの絶叫の号泣
その火は人間に確かなある予感を抱かせてしまった



まだ生きていけると

まだ まだなのだと


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