ことばとこたまてばこ
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「あなたの病気は治りません」
その医師は息を区切ることもなく、 ためらう様子すらもなく、 ぱららららと一気に述べたてた。
その際、ずっと医師は患者の方を見ず、 私ばかりに向けてぱらららららららら。 どれほど「彼へ目を向けて言ってあげてください」と言っても聞かない。 聞こえるはずのあなたは聞けないの?
そして宣告を告げられた患者は 一言たりとも見逃すまいぞ、といった様相で 視線を崩すことなく私の手を凝視している。 とってもとっても 当然なことだ。
でも。
私は手話「通訳者」で、宣告されるのは私じゃないのに。 お医者様、あなたはどうしてそんなに私の方ばかり 見ていられるの?
彼なのに。
私を間に挟むことで、どんなに重苦しいことでも言えるといった感じね。
彼なのに!
どうしよう わからない どうやって言えばいいの。
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