日常のかけら
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◇雪の中◇

煙るような雪の中、あの人が佇んでる。
じっと、何かを耐えるように、何かを忘れようとするように。

何も言わない人だから、見ているしかない。
強くて脆い人だから、このまま折れてしまう気がする。

煙るように降る雪の中、あの人は消え入りそうで…。
でも、手を伸ばせない俺は、その背中をみているしかない。

ねえ…置いて行くことだけはしないで…

煙るように降る雪があの人を抱いて、悲しい声で泣いた。

(悟 空)

2007年01月09日(火)