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日常のかけら ◇カボチャ?◇
![]() 回廊を歩くたび、最近目に付くモノがある。 緑色、黒っぽい色、オレンジ色…どう見ても「カボチャ」だ。 それがぽつり、ころりと置かれている。 それも、俺が通る所にばかり。 笙玄に訊いても、 「さあ…何の意味だか私にはさっぱり…」 という、困惑しきった返事が返るばかりで。 意味がわからねえ…。 サルに訊こうとしてもこう言う時に限って捕まらねえわ、仕事は忙しいわで、足下に転がるカボチャを蹴飛ばして仕事に向かう。 「一体…何なんだ?」 入り口に転がっていたカボチャを掴んで見つめても意味が分かるわけもなく、ため息しかでねえ。 振り返れば、そこここに転がったカボチャの様子がこの間までと違うモノが混じっている事に気が付いた。 「…顔?」 転がった?置かれた?カボチャの中に目や口、鼻と思しき穴をくりぬいたモノがあるのだ。 なんだか嘲笑われているような笑い顔。 だから…どんな意味があるんだ? 思わせぶりにこんなことしやがって。 誰に入れ知恵されたのか、わからないとでも思っているのか? 「あんの…サル…」 今夜、問いつめてやる。 覚悟しやがれ。 外野に入れ知恵されたことを後悔させてやる。 俺は、顔の描かれたカボチャを蹴り飛ばした。 (三 蔵/illust by みつまめ様)
2006年10月19日(木)
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