日常のかけら
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◇沈丁花◇

風はまだちょっと冷たかったけど、沈丁花の花の影はイイ匂いがして、すっげえ気持ちよかったから、俺…寝ちゃったんだ。
んで、起きたら結構冷えてきてびっくりしちゃった。
空見たらもう帰る時間で、慌てて帰ろうとしたらさ、沈丁花が楽しかったからって、花くれたんだ。
でもさ、俺寝てただけで遊んでもいねえのにさ、楽しかったって言われたのが不思議で…。
よくわかんなかったけど、沈丁花があんまり嬉しそうに笑うから、俺まで何だか嬉しくなって、花、貰ってきちゃった。

な、だからイイ匂いがするんだって。

(悟 空)

2006年04月04日(火)