抱いた温もりと柔らかさに凍てついた気持ちが融ける。小さな声で、舌足らずな口調で名前を呼ぶ。ほら、その声が俺を溶かす。煩いだけの存在ではなく、甘いだけ乃存在でもない。対等に前を向いて、共に歩む翳ることのない真っ直ぐで綺麗な存在。…悟空名前を呼べば腕のなかで綻ぶお前。ただ、抱いて、この腕に閉じこめて、薫る日向に思いを埋めて。お前がいいるだけで満たされるこの気持ちは何なのだろうな…。なあ…悟空…。(三 蔵)