Jagged Glass Nuts
AS



 a girl with a peal

真珠の耳飾の少女 をみた。
三軒茶屋の古い映画館で千円だった。
ビニール袋に入ったまま冷凍で中国から輸入されてくる
やたら安い肉の卸売りの店の隣にある、お化けの出そうな映画館である。
パルメザンチーズのかかったポテトチップスとレモン味のペリエを途中で買って
券売機でいちまい、券を買うと
泣き黒子の、地味な顔立ちだが黒目がちの切れ長な目がきれいな
モギリのねえさんが
「二階へ。二階へ。」
と買ったばかりのそのチケットをぺりぺり音を立ててやぶる。 
スプリングのきかない観客席のシートは擦り切れて、なかのばねが見えていた。

少しあざといくらいにフェルメールの絵をまねた画像である。
「絵のようにきれいな」という表現は
このためにあるのかと思った。

うまいなあ、と思い、よい映画を観たと人に話すと思う。
感動はしなかったけれど感心した。

2004年11月11日(木)
初日 最新 目次 MAIL


My追加