| 2005年06月17日(金) |
謙虚さを忘れずに過ごして行こうと思います・・・ |
杏珠先生
お返事ありがとうございました。
どこかで分かっていたのに、 何故あそこまで気持ちの切り替えができなかったのか・・・ 金銭的な欲と友達への面子だったのかな?と思います。
どうして日本人だからって悪い労働条件なのよ!?と 目先の”損をしたくない”という気持ちが確実にありました。
こちらで日本がらみの会社経営をしている人たちは 全員がズルがしこいビジネスをしている・・・ そんな人の下で働くなんて絶対嫌だ!!そう思っていました。
しかし前回ご報告をした次の日、2日目の仕事中に オーナーの(省略)さんに日本にいた頃の様子を聞く機会がありました。
最初は全く日本語が話せなかったので、チェーン店居酒屋の洗い場だったそうです。でもいつかはウエイターがやりたい!と思ったそうです。 なぜならその店のキッチン内で働いている人達は あまり教養の無い人たちだったようで、 すぐに人を罵るような言葉を発するし、会話内容も薄かったから。 とはいえ学校に行く余裕も無かったので自己流に学ぶしかない・・・ ということで、子供用の50音表を買ってきて洗い場の壁に貼り、 従業員の人に協力してもらいながら一生懸命覚えたんだそうです。
日本ではどこに住んでいたのですか?と聞いたところ、 北海道から東京・名古屋・大阪・鹿児島・・・いろんな地名が出てきました。「ほら、日本人は地方に転勤とかしたがらないでしょ? 結構いろんな所を2週間単位で行かされたりしたんだ〜」 と言っていました。
しかし最後に「でも私が日本で出会った日本人はみ〜んな良い人だった。 本当に親切にしてくれたの。」
こうして(省略)さんと会話をしている時、 自分が恥ずかしくて逃げ出したいほどでした。
自分が今までどれだけ奢っていたのだろう・・・。
先進国といわれる日本国籍な自分・・・ そんな能書きを自然に考えていた自分。 土地柄と業界柄だけで目の前にいる人を決め付けていた自分。
歳のわりには人一倍人間と接して、色んな場所に居たから、 識別目は鋭いつもりでいたのかもしれません。
実際にズルい商売をしている人がこの街にいるとしても、 例えば突然私一人でビザ取りから経営までやれ! と言われたらとうてい出来るはずもないわけで、 そういう意味でも安全に働ける環境を用意していただいている有難さという とても根本的なことを忘れていました。
奥さんも英語では口数が少ないというだけで、 とても真面目な方に感じます。 そして2人とも自らくるくるとよく動いて働いている人たちです。
お客様も土地柄か奇抜なファッションの人や 同性愛者カップルなどが沢山いらっしゃいますが、 みなさんとても物腰が柔らかで丁寧に言葉を発する人が多いようです。
ここで教えていただける事はまだまだ沢山あるように感じています。 悪い意味で慣れてしまうことが無いように、 謙虚さを忘れずに過ごしていこうと思います。
適切なご指摘ありがとうございました。 それではまた、ご連絡いたします。(一部省略)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 メールを拝見いたしました。
貴方の目に懸かっていた「こだわり」という曇りは、 どこかに飛び去ってしまったようですね・・・ 本当に良かったと思います。
人間は皆、それぞれの立場で一生懸命生きているのです。 それに関して否定をしないこと・・・真っ直ぐに見つめる事、 を決して忘れてはいけません。 これは私自身も常に心がけています。
貴方が今過ごしている時間は、本当に貴重な時間です。 しかし、それを手に入れることが出来たのは ”貴方自身のひ たむきな頑張り”があったから・・・ 頑張っている人の周りには、同じように頑張って自分の夢を実 現させようとする人が集まってきますし、知り合うものです。
しかし、それは「肌の色の違う人」かもしれません。 「言葉の違う人」であったり、「宗教の違う人」「立場の違う人」 「年齢の違う人」「育ってきた環境の異なる人」かもしれません。
どうか、そういった素敵な輝きをもつ原石のような人を ”こだわり”という色眼鏡で見て判断する事がないようにと願って います・・・(全文掲載)
杏珠
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