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2012年08月06日(月) しみる1本

人生はビギナーズ
ふぁんとしたお話なんですが、途中何度か涙が自然にこぼれて、主人公演じるユアンの自然体な演技と、にじみ出る優しさに、じーんと来ます。不器用だけど愛情あるお母さんに育てられ、不器用で愛を表現しきれないまま最後は息子に介護してもらう身となった父との、ぎこちない交流がだんだん相互の深い愛情がわかってきて、ユアン(すみません、役名失念)の、家族を失った心の動きが、私自身が20年前に母を看病した記憶を呼び覚まされて、やっぱり泣きました。
監督さんの自叙伝的な作品で、主人公のユアン演じるのが、それを撮影する監督さん自身でもあるという。
でもメイキング曰く、ユアン自身の独自の脚本解釈による個性的な演技のおかげで、監督さんは自分とシンクロせず、客観的に作品として取り組むことができたので、良かったとか。
実話を元にしているせいか、話の展開も会話も自然です。なのに不思議な人間の心の深淵を含んでいて、見るものの心に沁みただけでなく、役者さんみんなの入れ込んだ演技が本当に良いなぁと思わせる作品です。
なによりユアンが良かったです。そして、吹き替えでも見たのですが、森川さんのユアンシンクロ度が半端なくて、過去最高のユアン作品ですと言っても過言じゃないぐらい、すばらしい演技でした。優しかったり、さびしかったり、静かに怒っていたり、戸惑っていたり・・・人生は1度しか経験できないので、何歳になっても、さまざまな出会いや出来事が、経験したことのないことばかりだから、結局手さぐりでやっていくしかない、勇気をもって自分から立ち向かっていくしかない、自分から行動すれば、きっといいことがあるさ、という、そんな切なくて素敵なお話です。ユアン絶品です。森川さんも絶品です。そう、胸キュン(今風の表現だ、)せりふがたくさんあります。


まいける2004 |簡易メールシルバーナの船室(コラム)

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