| 2013年08月20日(火) |
今井翼×サムライ支倉 大いなる旅への挑戦@NHK総合 |
期待以上の面白さでした!
6月12日に行なわれ、今井さんが能面をつけて支倉常長を演じた
「日本スペイン交流400周年開幕記念音楽会」。
音楽会本編のみならず、メイキングも満載。
今井さんが一緒にステージに立つアーティストの顔ぶれがとにかく超一流すぎる。
フラメンコ舞踊家(文化功労者の小島章司氏)、ピアニスト(川上ミネ氏)、
スペインで今最も人気があるフラメンコ歌手(ミゲル・ポベダ氏)という、3人の実力者。
その素晴らしい踊り、演奏、歌声に並ぶ存在感で、
サムライ支倉の意思や苦悩を表現しなくてはならない今井さんのプレッシャーはいかばかりかと。
しかも、いつもの激しいダンスでも、得意のフラメンコでもなく、能の所作を取り入れた「静」の表現で。
能の所作や面について詳しく指導してくださる観世流二十六世宗家(!)の観世清和氏に対しても、
フラメンコ風の動きで振りをつけてくれる小島章司氏にも、
真摯に教えを請い、多くのことを吸収していく今井さんは本当にステキでした。
天才たちに囲まれながら自分はいったいどう動けばいいのだ、と、表現方法に苦悩しながらも、
静かな中にも気迫に満ちた佇まいと動きを完成させた今井さんはまさしく、
遠い異国で苦悩しつつも旅を続けた支倉常長の心境だったことでしょう。
それにしても、
今でこそフラメンコを踊る今井さんには何の違和感も感じないし、
むしろ、いつものジャニーズ的なダンスよりもフラメンコ踊ってる時の方が、
似合うんじゃないかとさえ感じるようになってしまったりもしていますが、
そんな今井さんが今回は新たにご縁があったのは「能」。
しかもいきなり宗家から教えを受けるとは、フラメンコの時以上の驚きでしたが、
今井さんと「能」も、かなりイイ組み合わせかもしれないと感じました。
印象的だったのは、
今井さんが宗家からいろいろ指導を受けている際、一緒に舞台に立つ小島章司氏もずっと立ち会っておられ、
今井さんに劣らぬ素直さと熱心さで、宗家のお話に聞き入っていらっしゃったこと。
74歳の超一流にしてこの姿勢。
この姿勢だからこそ超一流になられたのだろうけど。
肉体の若々しさもさることながら、精神の若々しさってこういうことよね、と、感動したのでした。
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