今日のおたけび または つぶやき

2012年03月27日(火)  名言の宝庫ましゃについての考察



ましゃ主演の映画ですって!(公開は来年秋だけど)

エリートサラリーマン役らしいですが、「とにかくイヤな奴」だそう。

是枝監督曰く、

「とてもまっすぐで爽やかだったので、全く逆の人間をやらせたら面白いんじゃないかと思いました」

ですと。楽しみにお待ちしております。



そういえば先日、SMAPの吾郎ちゃん主演のドラマ「Dr.検事モロハシ 」を観ました。

悪役じゃない吾郎ちゃんを久々に観てすっごく新鮮でした。

吾郎ちゃん悪役づいてたものなー。『十三人の刺客』の極悪非道っぷりとか、凄まじかったもの。

あそこまでではないとしても、もし映画のましゃを観ながら「こいつ地獄に落ちやがれ」なんて

思ったらどうしましょー。どうしましょー。ま、それはそれで面白いか。(いいのか)




さて、先日の続きですが、ましゃはなぜあんなに名言の宝庫なのか、についての考察。

考察する必要なんてまったくないのだけどね!

いいこと言う人だなー、外見だけじゃなくて中身もオトコマエなんだなー、で、いいのだけどね!

でも、いろいろお話を聞いて「ああ、だからか」と思ったこともあったので。



結論から言えば、考えて考えて考え抜く人だから、ということに尽きるような。

意外に人は考えてなかったりするような気がするのです。直感が大切とはいえそれに頼りすぎてしまったり、

考えてる気分にだけなって、実はすっごく浅いところをうろうろしているだけだったり。

自分を顧みてもそういう面はとてもあります。



ましゃの場合は、すごく深いところまで理路整然と考える習慣ができている人とお見受けいたします。

でもそれだけじゃない。以前ご紹介した天文学者さんのエピソードからもわかるように、

経験や出会いが教えてくれることや、見えたまま聞いたまま以上に深いところにあるものを、

的確に読み取ることできる人だ、という大前提がまずある。


経験を積んだ大人ならみんなそうかと言えば、そんなことは決してないので、

やはりこれはご本人の人間性が培った素晴らしい能力なのだと思います。




そして、そんな風に読み取ったり、考え抜いたりしたことを表現する「言葉」の選び方も、とんでもなく緻密。

それらが、以前ラジオで話されていた「どのように作詞するか」に、とてもよく現われていたので、

抜粋しつつご紹介。




福「(書き始めの)最初の詞はやっぱりどうしようもないものなんですよ。

 稚拙な考えとか稚拙な表現とか、とても人に見せられたものじゃない。

 例えば、『何かを得るために何かを失う』みたいなことってよく聞くし、

 『失ったものを数えて、それはもう取り戻せない』みたいなセンチメンタリズムってみんなあるじゃない?

 そのくらいの浅いところから始めて、それに対して自分でつっこんでいくんです。


 例えば、『ほんとなのこれ? 何かを手にして何かを失ったって、具体的に手にしたものって何よ?』 みたいな。

 たとえば、いままでより良い広い部屋とかを手に入れたとして、『なくしたものって何よ? あの頃のひたむきさ? 

 情熱?純粋さ?』とか。よくあるでしょ。


 で、それを書き出してみて眺めて、『本当にそう?』ってまた突っ込んでいくの。

 『まっすぐさとか、ひたむきさとか、自分でそういうこと言う?』みたいに。で、どんどん精査して、

 厳しいツッコミを自分に対して入れていくことによって、本質的な感情が浮かび上がってくるんと思うんです。


 『生きてる生きてく』に関して言えば、『大人になるってイイことなんだ』って言いたかったの。

 それをどう言うか考えたときに、『色々な悲しみなどを乗り越えてここにいるんだよ』なんて言うと

 浅いじゃないですか。『乗り越えるって何をどうしてきたんだ?』って考えてると、

 『いや待て、乗り越えてないかも』ってなり、『実は乗り越えてなんかなくて、無視してきたんじゃないか、

 失敗なんてずっとしてきたし、昨日もしたな』と。そういうツッコミをしていくんです。


 どの部分で自分に対するツッコミが止まっているかで、その人の歌詞の深度が違ってくると思うんですよ。

 ある程度のセンチメンタリズムで止まってると、その人はそこでツッコミをやめてるということで。

 俺ももう大人だから、浅はかなとこで(ツッコミが)止まってちゃいけないな、っていうのがあるんです。


 究極的に自分にツッコミを入れていくと、自分って相当ダメな人間だということがわかります。

 人には言ってないし見せてないけど、相当ダメなヤツだな俺って、って。

 そういうことって人には誰でもあると思います。

 その(ダメな自分の)どの部分を切り出すかが問題なんですよ。あまり言っても仕方ないこと詞にしてもね。」




以前もおっしゃっていましたが、作詞するたびにプチうつになるそうですよ。

どんどん掘り下げていって自分のダメなところをえぐるようなことになるから。

でもそうしないと、ご本人的には浅くて説得力のない詞になってしまうということなのでしょう。



聞く側がが「この言葉いいなー」「名言だわー」って共感したり感動したりするものは、

ましゃの中でこれくらい考え抜かれて選び抜かれて出てきたものだからなのでしょうね。

歌詞にしても、その他のコメントにしても。



でも、言葉の扱いって本来はそのくらい気をつけるべきなのだろうな。

不用意なたったひと言で、どれだけの人が足をすくわれていることか。




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