| 2008年09月11日(木) |
「赤坂大歌舞伎」@赤坂ACTシアター |
演目がとても初心者向きと聞いて、当日券で10日昼の部を観てまいりました。
いいね、当日券で入れるって! もちろん立ち見しかなかったけれども。
でも、来月の日生にすでにどんだけ支払ったかを思うと、S席13500円はかなり気がひけたので
立ち見の5000円で充分。
「席なかったら赤坂ぷらぷらしてこよ〜」くらいのお気楽さで立ち寄れるのはとても楽しいです。
そして今回は「イヤホンガイド」なるものも活用。
これいいっすね! 「狐狸狐狸ばなし」は言葉もストーリーもわかりやすくて
さほど解説の必要は感じませんでしたが、登場人物が多くなってきて「これ誰だっけか?」
とふと思った時に、絶妙のタイミングで「○○が出てきました」と、さらっと教えてくれたり、
ちょっとした時代背景や道具や音楽の解説もしてくれたり、とてもお得感のある
お役立ちっぷり。
「棒しばり」は、コミカルな仕草や踊りが楽しい演目なのですが、
「この動きは○○を表している」というふうに踊りの一挙一動の解説を丁寧にしてくれたので、
ただ観ているだけより数倍楽しめました。
中村勘三郎さんを観るのはたぶんこれで3回目か4回目くらいだと思うのですが、
いやもう、いつ観ても絶対裏切らない面白さというか凄さというか。
日本の宝だね! (初心者が大げさなことを。)
勘三郎の役者あがりの世話焼き亭主の面白さも凄かったですが、
その世話焼き亭主のしつこさに辟易している女房の中村扇雀もめっちゃ魅力的で、
いやもう、歌舞伎そのものがとにかく日本の宝だね!
そして例によってわたくしお気に入りの勘太郎・七之助兄弟による「棒しばり」。
(っつーか若手の役者さんは、まだこのおふたりしか観たことがないので。)
踊りのやわらかさ軽やかさがとても爽やかで、観ていて本当に楽しいのですが、
いい意味での「若さ」を一番に感じるのは、やはり「声」です。
年輪を重ねたさまざまな声の中で、まっすぐ力強く聞こえてくる若々しい「声」がとても素敵。
舞台の肝は所作と声ですね。それですべての情景が伝わってきますから。
で、ちょっとした短いセリフを言ったときに、「あ、お父さんの声にそっくり」と思ったとこが
ふたりともにありました。だからナンだ、って話ですが。
でもなんだかちょっと嬉しかったりするよねー、そういうの。
成長したなー、みたいな勝手な親ゴコロ?
話は飛びますが、七之助くんはマツジュンと仲良しさんらしくて、
「江戸時代の歌舞伎役者は今のジャニーズのアイドルみたいだった」と、何かの雑誌で
おっしゃってましたっけ。
だから昔だったら自分も松本くんみたいに騒がれたのにぃ、そうだったら楽しかったろうなー、
と思ったりするそうな。いやいや、歌舞伎役者さんも立派にアイドルで、相当に楽しそうっすよ!
今年ははからずも6月のコクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」で一足はやく夏を迎え、
昨日の「赤坂大歌舞伎」の、やたら元気でウルサイ幽霊の活躍で夏を締めくくらせていただきました。
季節の節目ごとに歌舞伎を観ると、なんかいいかもしらんね。やっぱり日本の宝ですね。
|