せらび
c'est la vie
目次昨日翌日
みぃ


2005年11月02日(水) 秋晴れ続きで洗濯日和。なのに洗濯に行かぬ怠け者のワタシ

日記ともすっかりご無沙汰してしまった。

ここのところ溜まっていた作業を一つひとつ片付けつつある。良い傾向である。待たせておいた翻訳の仕事も仕上げて月末に漸く小切手を貰ったので、一安心である。

また詰まらない手違いで、オーダーを取り消した筈のMP3プレイヤーというやつが、何故か取り消しになっていないでその二日後に届いてしまったので、それを早急に送り返したところ、最近になってその返金返金をこれからするという通知も届いたので、更に一安心である。

先日には税金屋が手紙を寄こしたので、今度は何だ、とぎょっとしたが、一通りワタシの提出した書類は受領したらしく、しかし足りないものをひとつ送ってくれろというだけの事だったので、胸を撫で下ろしながら再送付した。

どうやら最近は金関係ではらはらとする事が多いようだが、相変わらずワタシの人生にはもっとどうでも良い、馬鹿げた話も多い。せ・ら(ま)・び(ヴィ)。嗚呼無常。



頭に来る事があったので、一先ずそれを書く。

二週程前の金曜日の事である。(皆様本当にご無沙汰しています。)ワタシが関わっている某団体で、月例講演会が開かれた。

ワタシの担当ではなかったのでアレだが、総責任者である同僚が一週間前に堂々とヴァケーションを取るなどして仕事をすっかり怠けてくれたお陰で、動員数は十にも満たなかった。

ええ、客が十人も入らなかったのです。

通常この団体の月例会では、二十から三十とワタシは他人には言っているのだが、元々大した人数は稼げない団体ではある。講演内容にもよるが、平均してまあ二十前後といったところだろう。

ワタシの担当ではなかったのでアレだが、この閑古鳥が無く状態は、折角音楽家を呼んで演奏とそれから彼女の政治活動についてのお話をやって貰うにしては、一寸居たたまれない光景であった。今時ジャズバアに行ったって、もう少し入るだろう。

この宣伝活動を大幅にサボった同僚は早々にこの企画の仕事を終わらせてしまいたかったと見え、イベント終了後直ちに金勘定の後始末に掛かる。

しかし金勘定担当オフィスに提出した書類には、異なる二つの数字がはじき出されているがこれは一体どういう事か、と週明けに早速クレームが入る。単純な計算ミスである。

もうひとつ質問が付いて来たので、そちらはワタシがメールで返答してすぐさま解決を見る。しかし肝心の金勘定の方の問題は、立替分の払い戻し期限の二週間目が近づいた頃漸く彼女から返答があったというので、ワタシは驚いた。

そういえば別件で連絡をしている最中彼女が「仕事が遅くて済まぬ」と謝るので一体何の事かと思ったら、例の金の件でまだ返事を書いていないという意味だったのか。

彼女が自らのポケットマネーで立て替えたのの払い戻しが貰えなくなろうともワタシには痛くも痒くも無いのだが、しかしそういうルーズな仕事をしていると、ワタシたちの団体全体がルーズな管理システムだと思われそうで、困る。それにその団体を指揮しているワタシまでルーズだと思われたら、困る。

ワタシは自分の所為ではないのに怒られたり誤解されたりするのは、大嫌いである。誰でもそうかも知れない。きっとそうでしょう。ワタシはこんなに頑張っているのに誰かひとりがへまをする所為で、そいつのへまをワタシが詫びてやらねばならないとかいう事も、大嫌いである。手前のケツは手前で拭え。


しかしこの同僚などはまだ良い方だ、という事が後に分かる。

この時のイベントで呼んだ某音楽家が、終了後別の企画を持ち込んで来た。

日本の女性問題に関心のある人々がドキュメンタリィ・フィルムというのを撮ったので、来年の二月にワタシの住む国において主に大学などでもって上映会の「ツアー」をする手筈になっているそうである。しかし偶々この街ではまだ場所やその他の手配が済んでいないので、それを是非こちらの団体でやって貰えないか、と言うのである。また製作者や出演者の女性たちの中には大学教授や女性団体の役員なども含まれており、出来れば上映会に留まらずパネル・ディスカッションなども出来たら好都合という。

話は中々面白そうではある。しかし来年にはワタシはこの団体の企画運営などから綺麗さっぱり足を洗っている予定だったので、一寸間が悪い。

とは言えこれを手掛ければ、ワタシとしてはこの団体初主催の大きな会議の執行部代表として名が売れる事には違いないので、今後の職探しその他に大いに役立つ事は見込まれる。

ただこの規模のイベントは、この団体だけでは手に余る企画である。余所の団体との「共催」という形を取らない限りは、予算・人的に賄い切れない。

そこで、先ずはそのフィルムの概要と、パンフレットなど既に出版されているものがあればそれも送ってくれと頼む。

それらは比較的早く転送されて来た。

しかしその殆どは日本語で書かれていた。

こちらでイベントとして成立させるには、先ず現地語に翻訳してから書類作成をする必要がある。一通り要所に打診したところで、やはりここいらで詳細を網羅した「企画書」を出さない事には、「口約束」では埒が開かないと悟る。

しかし肝心の企画の詳細は、一向に送られて来ない。

こちらからあれはどうなっているのか、これはどうか、と細かい点を聞いても、先方から具体的な答えは出て来ない。日本に確認すると言って、暫く返事が途絶える。

つまり彼女はここ以外の場所での「ツアー」の企画に携わっていないので、事務的な詳細について全く理解していないのである。そういう要領を得ない人物が間に入って居ては、却って話がややこしくなるので、問題である。

しかもこの無能女は、イベントの全体像を網羅した書類を寄こす前から、「とりあえず場所だけでも押さえちゃって貰えますかね」などと呑気に言って来る。

何処の世界で、書類を出さずにヒトやカネが動くと言うのだ。「ガキの使い」じゃねぇんだ。

どういう非常識な女だろう、とワタシは憤慨しながら、しかしまた例によって三遍ほど書き直してトーンダウンした返信を送る。


何処の業界でも、恐らく日本でも、何かやろうと思ったら書類を提出するのが順序ですよ。


恐らくワタシより一回り以上は年上と思われる女性を相手に、ワタシはやんわりと説教を垂れる。こんな事は一々説明しなくても普通は分かっているものだと思ったが、案外人は一から十まで言わないと分からないものらしい。

このやり取りは数人の同僚を交えた「企画チーム」内でのメールで執り行われているのだが、ワタシがぶち切れながら書いたメールを出した後人々と話をしてみると、案外皆ちゃんと道理が分かっていた。


やる気あんのかあの女。

失礼にも程がある。


一様に憤慨した様子だったので、ワタシは一先ず安心する。皆揃って馬鹿ばっかりだったらどうしようと心配したのは、徒労であった。


無能な人間というのは、意外と彼方此方に散らばっている。


そういう訳で、ここのところのワタシは何やら疲れ気味である。

…と言い訳を述べた後、日記もきちんと続けようと心に決める。



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