せらび
c'est la vie
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みぃ


2005年03月21日(月) 一寸空元気出し過ぎかも知れない今日この頃

ここのところ、先日降って湧いた幸運のお陰で、何だかぼんやりしている。

春になった所為もあるだろうが、このところのワタシは、季節の移り変わりやらこの街の人々の日々の暮らし振りなどをぼんやりと眺めながら、これまで許されなかった「余裕を持つ」という事やこれまで(必ずしもやろうと思っていなかったかも知れないけれども)やれないでいた事などを、徐々にやり始めている。

今出来る事を出来るだけやって、人生を楽しもう、という試みである。


この週末には、ここ暫く中断していたヴォランティアワークをしに出掛けた。

今回は、朝っぱらからとある教会でやっている食事の提供の手伝いをしに行ったのだけれど、そこで思いがけず友人が出来て、彼がその後で外国人に現地語を教えるヴォランティアをやる事になっているというのにくっ付いて行って、飛び入り参加などしてみたら、これが意外と楽しかった。

このところ、何だか久し振りに色々な人々とあれやこれやとお喋りする機会があって、ぺらぺらと自分の思い付くまま喋っていると、これまで忙しくて人に会う機会が持てず、話したかった事が話せないでいたのを思い出した。

それで、こんな下らない事まで、と思いつつ、いや、下らなくてもそれをワタシが話したいのだからいいのだ、と直に思い直して、兎に角ぺらぺらと沢山お喋りをした。

自分の頭が、思いの外早周りしているのを感じる。水星は、今ワタシの情報を司る部屋に居て、この週末から(占星術的な意味で)逆行し始めた。

これまでを取り戻すように、ワタシは意欲的に人々とコミュニケーションを取る。

それから、天気も良かった事でもあるので、その新しい友人と連れ立って近くの市場まで歩いて行って、新鮮な野菜を少しとアップルサイダーを買って帰った。

このアップルサイダーはワタシのお気に入りで、この市場に行く機会があるといつも買って帰っては、翌朝からちびりちびりと飲むのである。純粋に林檎のみを絞って出来たものだから、とても濃くて旨味がある。

そんな事で、何だか得した気分になって、疲れも忘れて愉快に街を散歩して、それから夕刻になってどっと疲れが襲ってきた頃、漸く家路に着いた。

翌日、アップルサイダーをちびりちびりやりながら、更なるヴォランティアワークの計画を立て、幾つか予定を入れる。今週末は小旅行に出る予定なので、週半ばにひとつと、翌週末から主に土曜に複数の予定を入れる事にする。

その多くは家の無い人々や低所得の人々を対象にした、食事を提供するプログラムなのだけれど、特に楽しみなのは、春らしく、公園や共同庭園を奇麗に整備して何か植えたりするやつとか、また放置されていたある高校の図書館の蔵書を整理整頓して、新たにラベルを貼ったり乱本を整えたりなどするやつである。

これまでどうにもなっていなかったものをどうにかする、という作業が、何とも言えずワタシの心を沸き立たせる。


そうこうしているうち、週末の小旅行の詳細が送られてきて、俄かに気分が盛り上がる。

それはワタシの住む街から、車で大体三時間半程のところにある、小さな郊外の町である。映画の舞台にもなった、とあるクラシックな生活をする人々が住むところで、国内的には観光地なのだが、だからと言ってワタシの住む街程の大都市ではないので、きっとのんびり出来るだろうと思う。

しかしよくよく読んでみたら、どうやらワタシは純二ホンジンとして国際交流を期待されているらしいという事が判明する。

これは実は、主に外国人留学生向けのツアーだったようである。

偶々人伝に回ってきたメールで知ったので、余り深く考えず、ただ激安で例の有名な町に滞在出来るらしいという事で、ワタシにしては珍しくツアーに参加してみる気になったのだけれど、どうも様子が違う。

てっきり宿と食事付きの市内観光ツアーかと思ったのだけれど、実際はホームステイしながらイースターホリデイを家族やコミュニティの人々と共に祝う、というのが主旨らしい。

よって、市内観光が主では無いので、ホストファミリーやコミュニティの人々との交流に随分時間が取られるようである。これは大きな誤算である。

これは恐らく、ワタシにとって生涯二度目の「ホームステイ」というやつになるだろう。大学生の頃に知人宅を訪ねて以来だから、もう二昔位前の話である。いい歳をしてまたホームステイなぞをやる羽目になるとは、人生というのは分からないものである。

いや、その気になればワタシだって、日本から来たばかりの初々しい外国人を気取る事は出来るだろう。

ワタシは、お気に入りの風呂敷と手拭を持参して、いざこの誇るべき我が国の伝統文化を人々に紹介せんと思う。


・・・よく読んでみると、ホストファミリーに土産物を持参せよ、とある。

何故?(宿代は払ったのに。)

こういうところが、ホームステイって面倒。

仕方が無いので、近日中に日本の煎餅か饅頭でも見繕ってこようと思う。

イースターホリデイという事で、どうやらワタシたちは教会に付き合わされるらしい。それに相応しい服を用意せよとある。

・・・そんな事をやっていたら、荷物が増えてしまうじゃないの!

一寸機嫌が悪くなる。

露出の多いものは厳禁で、民族衣装歓迎などと書いてある。

全くどうしてこの手の似非国際交流プログラムというのは、余所の国からやって来た人々に一々民族衣装を着せたがるのだろう。それがどれだけ手間が掛かるとか重たいとかいうような、実際的な問題については、誰も頭が回らないのだろうか。ばかたれめ。

まあ土地の皆さんには申し訳無いけれども、生憎ワタシは着物セットは持ち合わせていないので、昔々の成人式の写真でも持参してあげるのが関の山である。ワタシったら、なんていい人。

ええ、いいですとも。基本的にはサービス精神旺盛な人間ですから、こんな安っぽい国際交流ごっこだって、成り切ってやってみせましょう。

(しかも実はその昔「劇団員」だった事だってあるのだから、こんなのはお安い御用。)


溜息が出る。



ところで、九州地方でまた大きな地震が起こったそうで、全くここ数ヶ月の我らが地球は、一体どうなってしまったのだろうかと、不安に慄く。

以前の大災害の折に書いたかどうか忘れてしまったけれど、ワタシはもうそろそろ順番的に関東地方に大地震が来ても可笑しくないような気がしている。

と言うのも、ここ数ヶ月の間に世界規模で幾つも地震や火山活動が続いていて、多分もう地下の地盤だか海溝だかがすっかり動いてしまっているので、これから暫く大きな地震や火山活動などが続くのではないかと思う。

・・・とすると、日本に帰るのは暫く見合わせた方が良いかな。

乱暴な言い分だけれど、日本の頭脳を海外に散らしておいた方が、こういう天災でも民族の血が生き延びてくれて良いのではないかという気もする。


・・・だからと言って、何もワタシのような者でも外に居る価値があるとかいうような話では無いのだけれども、よくよく考えてみると日本民族というのは(尤もその定義自体かなり曖昧ではあるけれども)、全世界的に見たら随分少数民族だよねえと思うので、例えばユダヤの民が民族を絶やすなと言うのなら、数的に言ったら日本の民だってそうだよなあと先日ふと思った、というだけの話である。


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