永遠の1/2
まりあ



 【月の裏側】逢瀬2

私の町から横浜まで、新幹線では半日近くかかる。
新横浜の駅に着いた時は、もうすっかり夜だった。
食事は新幹線の中でお弁当を食べたように記憶している。
泊まる所すら決めずに来た。
親戚の家は人でごった返しているだろうし・・・・。

ともかく、駅前の一番目立つ所に合ったホテルに入る。
横浜に行く事は、新幹線の中で電波の隙を見てメールしていた。
その日は日曜日だった。


駅に着いた頃、電話がなった。
無事に着いたことを話す。
明日、少しでも時間を見つけてそっちに行くから。

そんな話をして切る。


距離は縮まっても、電話で話す事に変わりないなんて
なんだかとても悲しい気持ちになった。
日曜日の夜に抜け出す事は、彼には不可能だったし
危険な事をさせてもいけない。
だけど、今すぐ逢いたい気持ちは拭いきれなかった。


翌朝、弟が駅まで迎えに来てくれて葬儀に参列。
母はとても驚いていた。
親戚は喜んでくれた。
それだけに、とても気が引けた。
気が引けたけど・・・・


気持ちはもう、午後の約束に向かっていた。
話した記憶もない親戚の死を哀しむ気持ちはもてなかった。


葬儀を終えて、私は道中が長いから、と早々においとまして・・・・・・
再び新横浜の駅前に向かった。

同じ頃彼は仕事を、早退して、やはり新横浜に向かってきていた。




↑エンピツ投票ボタン
My追加


↑とても励みになります。
押してくださってる方、ありがとうございます。



ここからは現在の話

昨日夜8時半頃メールを送ってみた。

「一日に起こったおかしかった出来事。
頑張った事。
そちらはどうだった?
もし余裕があれば電話できたらいいんだけど。
というのも今日誕生日だし〜(ニカって笑ってる絵文字)

でも疲れてたり、心に余裕がなかったらいいよ。」


やっぱり、メールも電話もなかった。
子供たちも寝入ってからの、日付が変る時間までの
一人の長い長い時間は、

もういや、とてもじゃないけど、耐えられないよ!
という気持ちにさせられたけど・・・・。

ここを開けば、すごく励まされた。
支えてくれる友達の言葉に、自分自身の決意に。
望んだらダメなんだって刷り込もう。
それが、一番彼の為なんだから。
自分を満たす為に好き、ではないはず。
そう誇れる想いでいたいはず。

だけど、やっぱり押し潰れそうになる。
どこかでとっとと逃げ出した方が、楽になるだろうけれど・・・
ここまで築き上げてきたモノの最終をいつか迎えるなら、
納得いく形で終わらせたい。

やるだけやった、と思いたい。





2005年03月01日(火)
初日 最新 目次 MAIL


My追加
エンピツ