可愛い女の子に高級ブランドのネクタイをプレゼントされたA君は奇跡に近い経験だったこともあって幸せをかみしめていました。 ただ「ネクタイ是非つかってください☆」というメッセージを眺める度に このネクタイはA君の手持ちのスーツには合わないからなぁと残念に思っていました。 A君は服には頑固なこだわりがあって譲れないのです。
ある日そういうネクタイは買ったお店に持っていけばレシートがなくても交換してくれるという話を聞きました。 せっかくもらったのだからこのまま記念にとっておきたいし取り替えたら贈ってくれた相手に申し訳ないという気持ちと自分の好みのネクタイがほしいしクローゼットに永遠にしまっておくのももったいないという気持ちの間でA君は揺れていました。
2本しか持っていないネクタイの1本がよれよれで新しく買わねばと思った時倹約家のケチなA君は取替えにいくことにしました。 Gパンにスニーカーというラフな貧乏くさい格好で電車にのって高級ブランド店の前にきた時A君はもう少しましな格好をしてくればよかったなぁととても後悔しました。 店の前を行き交う人もみんなお金持ちそうです。 金ぴかのお店のドアはとても重そうで入り口には警備の人まで立っています。 気後れしてしまったA君はお店の前を行ったり来たりしていました。
おかげでA君もお店の中に入ることはできました。
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