書泉シランデの日記

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『ドン・ジョヴァンニ』
2005年10月06日(木)

分刻みの庶民、というものがいるならば、今日の私はそれに近かったかも。あ〜忙しかった。

で、『ドン・ジョヴァンニ』

私が遊んでばかりいるのではなく、たまたま連続していろんな興行があるだけのことです。

昨日今日の忙しさに値する今日の『ドン・ジョヴァンニ』、大野和士さん率いるベルギー王立歌劇場。

演出もすごく面白かったし、オケも柔らかい音色のデリケートなモーツァルトで、いやあ大満足。女性陣3人ともよかったな。1人だけというなら、ドンナ・エルヴィーラのセラフィン。

前に小澤×ウィーンフィルで聞いた時は、グルヴェローヴァがすばらしくて、これはドンナ・アンナのドラマか、と感じたのだけれど、今日はエルヴィーラの印象がまさった。 こういうところで、解釈がごごっと揺れてしまうのがオペラの面白さだと思う。テキストだけだとそうはいかない。

タイトル・ロール、お目当てのキーンリサイドはたっぷり芝居を楽しませてくれた。今日は上半身ヌードから立派な土踏まずのある足の裏まで拝見。歌的には今日の出来が特段だとも思わなかったが、最後まで安定していて、まあよかったんじゃないですかね。これでまたキーンリサイドのファンがふえただろうと思うと、昔からのファンである私は複雑な心境。

もう1人、ドン・オッターヴィオを歌うはずのトロストのことも気にしていた。ところがキャンセルで、代わりに全然冴えないあんちゃんが歌うことになり、つまらなかった。うまければいいけれど、声量がなくて、歌が扁平なんだもん。 おまけに声が軽くてさ・・・いくら代役でももうちっとましなのはいなかったんですかね。モーツァルトのオペラってテナー軽視だと思うけれど、でも、必ずとても美しいアリアをもらっている。それなのに、このあんちゃんは・・・。

レポレッロとドン・ジョヴァンニの関係がなかなか面白く設定されていて、このレポレッロ(リンドロース)はそのうち出世してジョヴァンニになるかも。 ただし、今日の歌は眠くなった、しかも「カタログの歌」で!眠くなった私のほうが驚いたわさ。

モーツァルトのオペラはどれも面白いけれど、一つだけ、というなら、絶対『ドン・ジョヴァンニ』です。



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