書泉シランデの日記

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イスラム美術展@世田谷美術館
2005年10月02日(日)

空いてもおらず、混んでもいない、ほどよい人の入り。(たぶんもっと混まないと事業的には・・・)期待にたがわず、美しいものがたくさんありまして、イスラムについての知識不足を痛感いたしました。

期待していたカリグラフィーはほんと、きれいです。一文字でも書けるようになってみたいものです。浮き彫り文字文タイルがイチオシ、ついで「カララマス」なる習字の手本か。

全然これまで興味がなかったのに、俄然、心奪われたのがペルシア絨毯。「チェルシーカーペット」すばらしいです。実は展示室の外に絨毯屋さんがいて、そこには売り物が3枚ばかり、ベンツの価格でおいてあるのですが、そのオジサン(私にオジサンとはいわれたくないだろう)が事前にいっぱい無料レクチャーしてくれました。商売そのものより、自分がその美しさにはまった、という感じありありの方で、たぶん、実は博物館の人より物知りだろうと思いましたね。私は将来退職金が出たら、玄関マット買います。

その方のHPにいっぱいきれいなのが出ていますから、興味のある方ごらんになって。
http://www.persiancarpet.co.jp

話は展示に戻り、ポスターにも使われているイズニクタイルや、そのデザインにもうっとりしました。ヨーロッパの陶器がいかに東洋的な文様から影響を受けているか、しみじみ感じました。

私たちは普段、西洋中心の世界観で生きています。しかし、その西洋が非西洋的なものからどれほど影響を受けて成立しているか・・・ことは陶器だけのことに限らず、もっと広く、技術にせよ文化にせよ、実はさまざまな価値観が互いに影響しあって、それぞれを成立させているに過ぎないことが、こういう展示をみるとよくわかります。

西洋、中国、日本だけの3極構成じゃありません。(思うに、私たちの学んだ歴史や美術はこの3極だった。音楽なんて2極だったかもしれないし、現実には1極かも。)

自分たちとは違う文化に敬意を払うこと、遅れているだの進んでいるといった序列化した評価を下さないこと、そのモノを生み出した背景を考えてみること。

そういえば、イスラム地域のキリスト教文物も何点か出ていて、ほお、と思いましたね。そして、イスラム美術といっても地域や時代によって、具象物の描写を全く許さないこともあれば、割りに気にしないこともあったようで、そんなこと、今日初めて学びました。

これから図録読んで、参考書読んで勉強する楽しみができました♪ 世の中、いろいろあっていいなあ。




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