書泉シランデの日記

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『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
2005年09月29日(木)

バイエルン国立劇場、指揮メータの引越し公演。

前奏曲、ん?こんなもん?といささか対費用効果に不安を覚えるうちに幕があがった。

一幕で親方たちがどーとかこーとかもめるところで睡魔に襲われた、頭の一方では、うっるさいな〜、と言い続け、反対側では、寝たらもったいないぞ、の連呼。

その峠を越した後は、最後までもったいないことにはならなかった。

小山のようなハンス・ザックス(ロータリング)・・・パヴァロッティも安心しそう。声はふくよかでいいけれど、ここまで育たなくても、ねえ・・・座っていることが多かったのは、もしや・・・。

ダーヴィッド(コナーズ)の声こそ、私好みのテナーです。明るくて真っ直ぐ通る安定した歌唱。残念ながら、体格が舞台栄えしないから、永遠の脇役だろうな。

ベックメッサー(シュルテ)もよかった。ヴァイオリニストのスターンをちょっときれいにした感じ。下品な道化に堕ちず、歌はうまいし、演技も上々。役柄だからしょうがないけれど、最後は気の毒です。

あともう1人、ポーグナー(サルミネン)、ご高名はかねがね、だったが、初めて聞いた。ご立派な体格で、はあ、お声も立派で、聞けてよかった。以上3人に今日のチケット代の8割を捧げましょう。

最初にザックスのことを書いたけれど、ヴァルター(ザイフェルト)もあんまり冴えなかったなあ・・・プログラムの写真、若すぎ。別人かと思って、今日のキャスト表を見直したほど。せっかく立派な歌が用意されているのに、なんかな〜。芝居うまくないし。エヴァ(シュニッツァー)はワーグナー歌いにしてはきれいだったし、声もよかったけれど、巧みかといえば、いいえ、素直なだけ。

演出はとてもわかりやすく、楽しめるものだった♪ この作品って、オペラとしては歌詞で理屈をこねすぎだと思う。字幕、忙しくっていけない。目の悪い私には漢字が多くて読みにくかった。ワーグナーの作品ってテキストだけを問題にすると、子どもが思いついたみたいなところがあって、文脈的な説得力に欠けるんだよね。でも、音がつくと、ありがたや、ありがたや。



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