今日は息子のオケの定演だったので、久しぶりに文化会館へ足を運ぶ。ついでだから、西洋美術館でやっている『ドレスデン国立美術館展』に寄った。←この展覧会、あまりいい評判を聞いていないが、私は行ったこともないドレスデンという街に大層心惹かれるのである。ゲルネのふるさとだ。 美術展だと思っていくと、裏切られた、と思う人はいるかもしれないな。雑多である。工芸品も非常に見事、とはいいかねる。世の中、もっと見事なものはあるよ、とそんな感じ。でも、雑多なものを寄せて、模倣しようとあがくあたり、いかにもう〜〜ん、ドレスデンは大いなる田舎だ、という魅力が立ちのぼる。周辺の文化への強い憧れ、結構じゃないですか。 展示品の中で本当に素敵なものは測量道具だと思う。現代ドイツの工業デザインに一脈通じる。 面白いものは、なんといっても<胡椒挽きつきの棍棒>。スイスアーミーナイフを求める文化だね。 で、それを見た後、文化会館で、マーラーの八番を聞いた。「千人の交響曲」と呼ばれている大合唱団とソリストの歌手(プロ)が7人つく大曲である。 息子はマーラーが好きなので、熱心に練習をしているようだった。2nd ヴァイオリンの面白くもないメロディーを口ずさむからすぐわかる。確かにアマオケがこの大曲に挑むチャンスはめったにない。ひけるだけでうれしい気持ちは想像できる。 昨晩、アッバード×ベルリン・フィルのCDで予習をしたときには、「悪いけど、これ間違いなく寝るわ」だった。でも、CDで聞くと一向に冴えない合唱部分が、生だとなかなかの迫力で迫ってきたので、寝ないですんだ。児童合唱も声量豊かでびっくり。オケ演奏も安定していて、少なくともこれまでの大学オケとは違って、下手につきあわされた苦痛とは無縁だった。 テノールのソロが詰まり気味だったのが残念だが、総じて安心して聞けた。アマチュア・オーケストラの場合「安心」は最高の賛辞。
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