書泉シランデの日記

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古義堂文庫展@天理ギャラリー
2005年05月19日(木)

さて、今日は神田錦町の天理ギャラリーで古義堂(伊藤仁斎)の展示を見てきて、思うところ大ありでした。最近は日本史も選択ですし、漢文の授業時間もなかったりするから、伊藤仁斎といっても知らない人のほうが多いのでしょうね。私も深くは知らないのですが、でも、こういう人が一般に忘れられていくのは残念だと思います。うちの息子なんて何にも知りませんから。

地味な展示なので、あんまり一般受けはしないでしょうが、古義堂伝来のものが丸ごとあるわけですから、学者一家の真摯さがひしひしと感じられます。加えて、町内会の会食が派手になってはいかんぞという「町内定」なんかまで保存してあったりするあたり、真面目な市民としての顔もしのばれ、偉い人って実は普通に生活を送れる人なんだよな、と改めて認識した次第です。

しかも、たまたま神田に着くまで車内で読んでいたのが『グローバル・コミュニケーション論』(ナカニシヤ出版)。文明開化以来私たちがありがたがっていた近代化は結局先進国の価値の押し付けで、西欧的なシステムの導入により既存の文化が周辺に追いやられてしまったのだということを、展示を見ながら今更ながらに痛感してしまいました。

私たち自身、ある部分では近代化の被害者でありながら、その意味に何も疑いをもたず、加害者にもなっていること(対アイヌ、対開発途上国)、さらに、今では情報社会で非英語圏の国であるがために、再び被害者においやられていることを自覚できないでいる・・・・・・いやあ、考えさせられます。



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