例によって家族ばらばらの休日。 夫も息子も夜まで帰らないというので、私もちょいと退屈かも、とライアンを誘って神田祭のパレードを見に行く。人生の75%が東京になってきたが、祭りを見に行くのは初めて。大体、祭りとか花火大会とか嫌いなのだ。 薄ら寒いのにライアンときたら、半ズボンにTシャツ。白人は寒さに強いという俗信を改めて確認する思い。 神田あたりをうろうろして、それぞれの町の神輿の支度や路上で飲み食いして景気づけをやっている人たち、世話役の人たちなど見て、鎌倉町の神輿の出発を神田駅まで見送り、その後、三越前の通りで待つことしばし。神輿の上を中央線が通るのはちょっと絵になった。 テレビで放送するほどの人出はないから、楽といえば楽、寂しいといえば寂しいが、パレードすべて眼の前で見て、ライアンのカメラは休む暇がない(ヨカッタ、ヨカッタ)。ドラゴンがどーとか、こーとかいうから、よく聞いてみたら、お獅子のことであった。 相馬からのお馬さんが沢山出ていた。都心で馬を見ることのありがたみをライアンに説く。「子どものとき親によく乗馬に連れて行かれた」なんて抜かすけれど、オーストラリアの田舎と東京は違うんだよ。フロートなんてのは金さえあれば出来るけれど、馬はそうはいかんのよ。 神田明神では、二礼二拍のお参りを教えて、参拝の列に並んだら、donationは?と小声で聞く。「財布の小銭があれば投げときなさい」である。案外こういうことって現地人がいないと、やりにくいことなんだよね。ライアンくん、1円玉を数個放り投げていた。 来日して伝統文化に触れるのは初めてだと喜んでくれて、やれやれ。GWにどこへ行ったのかと聞いたら、富士急ハイランドだの横浜中華街だの、どこやらのアウトレットだのと、まったく何とかならんのかね、ボランティアの学生さんよ。 結局、留学1年の予定は早々に変更して8月までにしたという。いろいろ思惑違いがあったみたい。英語の先生になりたいから、秋からはイギリスへ行くんだそうだ。日本語はマスターしそうにもないけれど、ライアンとシェークスピアの話やなんかすると面白い。今度日本語訳の『マクベス』でもプレゼントしてやろう。 さて、英語で半日しゃべっていると、目つきが悪くなるような気がする。なんつうか、「かかってきなさい」みたいな目になっちゃうんだな。
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