書泉シランデの日記

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『海辺のカフカ』ふたたび
2005年04月28日(木)

昨日書いた原稿を丹念に読み返し、またちょこちょこ手を入れたら、少しだけ納得がいく仕事に近づいた。そろそろ拙い頭では限界か、と思う。たぶん明日送ってもう手放そう。世の中にはいい加減な仕事が多い。私のが一つ加わったからといって、そう迷惑を引き起こすことはあるまい。まずその前に読む人がいるか???

さて、読む人がた〜くさんいる村上春樹。
私が『海辺のカフカ』はいい、といったものだから、息子が読み始めた。が、彼は大変厳しい。中途半端だとか、ご都合主義だ、ベストセラーにありがちの甘さとか・・・あげくは「楽に読めるけど、時間の無駄みたいな気がするんだよね」と。

そりゃあ、あいつはちょっと前まで『ダロウェイ夫人』だったから、それに比べれば、歯ごたえも描写の妙もありますまいよ。

もう読む気がしないといっていたから、じゃあ、とネタばらしをした。前半部に出てくるもののすべてが、後半の何かときっちり符合するとは私にも思えないが、でも、あの小説で作家が言おうとしていることは、書かれていることではなく、それに象徴されるものではないかと思う。変化を受け入れ、自分も変化し続けることがテーマじゃないか、なんて安直に思うのだけど。

息子と私のこの作品に対する読みの差に結構影響を与えているものは、性差と年齢差である。彼にとっては15歳の少年だった頃がほんのちょっと前でしかないのだから、主人公をある種のシンボルとして捉えることが出来ないのではないだろうか。女教師の経血云々も含め、性的経験の部分も私とは受け止め方が違うだろうし。

でもまあ、いいんだ。息子と同じ読書体験を持つことは面白いから、とりあえずヨイショをしておいた。

2,3日前、兄と電話で話をしたら、村上龍のほうの『半島を出よ』が面白かったとか何とか言っていた。でも、私、小説の新刊は高くてかさばって嫌なんだよね・・・文庫になるまで我慢しよう。



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