王様の耳はロバの耳

2005年10月15日(土) ロロ〜とチョコレート工場(ネタばれ??)

※Wパロです。脳内変換ウォンカさんサンジでお願いします。ネタバレいやな人は読まないでね。



ロロは貧しくてもあんまりそんなこと気にしないで生きてる子でした。もともと細かい事には頓着しないタイプです。
寝たきりのじいさんばあさんに追いやられて屋根裏で穴のあいた屋根から雪に降られても
「毛布があるから問題ねえ」
毎日がキャベツとキャベツのスープでもまたそれも
「腹に入ればいいか。」
くらいにしか考えでいませんでした。
そんなロロに日々を寝て過ごす暇な祖父は毎日ウォンカさんの話をしてきます。ウォンカさんはどんなにか素晴らしいチョコレートを作ったか。ウォンカさんはどんなにかっこよかったか。ウォンカさんのそばに居られた時の自分はどんなにか幸せで、たまに声のひとつも聞く事ができた時は天にも昇る気持ちになったか。
祖父は毎日毎日明けても暮れてもウォンカさん。ウォンカさん。ウォンカさん。
さすがのロロも少しげんなりしつつもウォンカさんに対する興味をつのらさていきまし
た。
「あのでかい工場で一人で住んでんだよな。」
「チョコばっかで飽きね〜のか?」
「い〜年して菓子かよ…」
「人雇ってる気配ね〜からな〜人権費分丸儲けだとしたら商売としては旨いよな。」
「つかそもそもこんな近所なのに姿見た事ねーぞどうやって生きてんだ?」
「チョコレートってのは栄養あるって聞いた事あんなそう言えば…」
ロロにしては頻繁にウォンカさんの事を考えます。なんと言っても他にやることもないですし。
そんなある日金の招待状のニュースが自宅のボロテレビから聞こえてきました。それさえ手に入れればウォンカさんに会えるらしい金のチケット。
「金持ちの考える事はわかんね〜な…」
チョコレートを購入すれば世界で5枚だけに入ってるウォンカさんに会える券です。欲しくないと言ったらウソですが、ナニが悲しくて目と鼻のさきに住むご近所さんに会うタメにチョコレートを買い漁らなきゃいかんのか。
ロロはとても冷静に
「勝手にやってろ興味ねぇ」
と切り捨てて日常にもどりましたが、それからが大変でした。

誕生日に一枚だけ買ってもらえるチョコレート。
チョコレートはいらないと言いそびれたばかりに毎年誕生日はチョコレート。明日だから〜とチョコレートをもってきた両親に。手元をのぞき込む爺婆×2の期待に満ちた眼差しと熱気に。
「あ〜貧乏だと楽しみもね〜からな〜」
自分はダシなのだとさして興味もないチョコレートの包み紙を破るとやっぱり別にいつもと同じなんでもないチョコレート。
周りの大人のキラキラした目が瞬間に光を失うのにロロは逆にびっくりしました。
「おいおい…まさか信じてたわけじゃねぇだろ…当たる確率ってどんくらいだよ…」
とりあえずチョコレートをその場にいる7人に分け与えると屋根裏へとかけこみました。
「すげーなチョコレート一枚であんな顔させんのか…」
その日の夜は少し興奮して眠れませんでした。




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遠山宙

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