Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1第5戦ヨーロッパグランプリ(予選)
2006年05月06日(土)

 今日はドイツのニュルブルクリンクで、F1第5戦ヨーロッパグランプリの予選が行われました。前戦サンマリノグランプリでフェラーリに母国優勝をもたらしたミハエル・シューマッハが、今回は自分の母国であるドイツで2位フロントローを獲得し、明日の決勝では母国での優勝と連勝を狙います。ポールポジションを獲得したのは昨年のチャンピオンで今シーズンもチャンピオンシップで大きくリードして首位をひた走るルノーのフェルナンド・アロンソでした。明日の決勝では新旧チャンピオンのフロントロー対決が実現します。

 15分間の第1ピリオドでは6台が脱落するわけですが、トップチームはそれぞれセッション半ばに危なげなくタイムを出しますが、残り時間3分28秒のところでセッションは赤旗中断となってしまいます。しかしこれは主催者側のシステムエラーですぐに撤回されますが、一度パドックにマシンを戻したチームは、最後のタイムアタックを行なうことができなくなってしまうという混乱を招きます。さらに上位のタイムを出したジャック・ビルヌーヴ(BMWザウバー)が計測なしの扱いになるなど、計測システムにも乱れが発生し、終了後も脱落する6台のマシンがなかなか発表されませんでした。
 その後計測システムが復活し、第1ピリオドで脱落するのはスーパーアグリのフランク・モンターニュと佐藤琢磨、ミッドランドのティアゴ・モンテイロとクリスチャン・アルバース、トロロッソのスコット・スピード、レッドブルのクリスチャン・クリエンと確定しました。

 第1ピリオドの混乱によって10分遅れでスタートした第2ピリオドは、フェラーリ、ホンダ、マクラーレン・メルセデスの各チームは順調にタイムを出したのですが、ルノーのジャンカルロ・フィジケラのタイムが伸びませんでした。残り時間が少なくなる中フィジケラはタイヤ交換を行ない、再度タイムアタックするものの、前を行くビルヌーヴに突っかかってしまいます。このため思うようなタイムアタックができず、前戦サンマリノグランプリに続き、ここヨーロッパグランプリでも第2ピリオドで姿を消す結果となってしまいました。
 自身とチームのホームグランプリであるトヨタのラルフ・シューマッハ、同じくホームグランプリとなるBMWのニック・ハイドフェルド、ウィリアムズ・コスワースのニコ・ロズベルグ、そしてレッドブルのデビッド・クルサード、トロロッソのビタントニオ・リウッツィも第2ピリオドで脱落しました。第2ピリオド終了後には、納得のいかないフィジケラが、ビルヌーヴのパドックに怒りをぶつけに行く場面も見られました。
 
 5分のインターバルを挟み、最終ピリオドがスタート。フェラーリが先陣を切り、ミハエル・シューマッハとフェリペ・マッサがワンツー体制のまま、それぞれ順調に周回を重ねていきます。残り時間が10分を切ると、まずホンダのジェンソン・バトンがタイヤ交換を行なってタイムアタックを開始。フェラーリの2台、ルノーのフェルナンド・アロンソもこれに続きます。アロンソがトップに立ち、シューマッハは2番手、マッサも3番手につけます。
 セッション終了まで5分のところで、アロンソ、フェラーリの2台が2度目のピットストップを行い、最後のタイムアタックを開始します。アロンソが自己ベストを縮めて29秒台に入れ、シューマッハがこのタイムを狙いますがわずかに及ばず2番手となりました。チームメイトのマッサも3番手に入れ、フェラーリはポールポジションこそ獲れませんでしたが、2台揃って好調のようです。

 さて、第1ピリオドでは主催者側のミスによってセッション終了まで残り3分半という微妙な時間に赤旗表示が出されてしまい、これによってアタックを中断してピットインを余儀なくされてしまったマシンが続出するという失態があったわけですが、本来ならこうした混乱を招いた原因を作った者に対しては罰金などのペナルティが課せられますよね。しかしこの一件に関してはまったくおとがめはなく、主催者側は平然と第2ピリオドを開始してしまいました。
 今年の予選ルールでは、第1ピリオドと第2ピリオドでは、コース上を周回していようとアタックラップに入っていようと、セッション終了時間できっちりと区切られてしまうので、セッション終了3分半前に中断されてピットインしてしまったマシンは、すでにその時点でアタックを断念するしかないわけですから、主催者側のミスで最後のアタックのチャンスをフイにされてしまったわけです。

 こういったシステム上のトラブルも想定して、セッション時間を延長するとか、ピットに戻ってきてしまったマシンはもう1アタックを認めるとか、もう少し融通を利かせて欲しいものですね。まあ想定外のエラーですから仕方がないと言えば仕方がないのですが。
 それにしても、主催者側がこの件に関してまったくおとがめがないと言うのもひどい話ですよね。結局第1ピリオドで脱落したのはスーパーアグリ、ミッドランドの4台とトロロッソ、レッドブルがそれぞれ1台ずつと、ほぼいつものメンバーだったから、問題ないだろうと言うことでスルーされてしまったのでしょうか……。



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