Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 ミシュラン、2006年限りでF1撤退!
2005年12月18日(日)

 ついに決断を下したようですねえ。

 F1にブリヂストンと共にタイヤを供給していたミシュランが、2006年限りでF1から撤退することを正式に発表しました。これは同社首脳がかねて主張していたように、FIAが先に示した2007年シーズンからの「F1タイヤ・ワンメイク化」に反発したもので、チームとの契約に、供給を打ち切る場合にはその1年前に通告するという条項があるということで、この時期の発表になったということです。このため、2007年からはブリヂストンの1社だけになるのは必至の様相です。

 これに関して、ミシュランタイヤのエドワール・ミシュラン氏は「F1という最高レベルのモータースポーツでは、タイヤにおいても競争は不可欠なものだ。ワンメイクということであれば、残念ながらわれわれはここに参戦する意義を持たない。そのためわれわれの忠実なパートナーであるマクラーレン、BMW、ルノー、そしてホンダらと相談した結果、F1から撤退することを決断した。しかしこれはわれわれの117年にも及ぶ歴史において、F1への関わりをただ中断するだけのもの。再びF1のレギュレーションが変更されたならば、われわれはまた異なったチームにこのサービスを提供することをためらわないであろう」と語りました。

 また、ホンダのニック・フライ代表は「われわれのタイヤ・パートナーであるミシュランが来シーズンでF1活動を終えるという発表を受け、非常に残念に思っている。この3年間、われわれはミシュランととても強い関係を築き上げることができ、チームの歴史の中で多くの記念すべき瞬間を一緒に経験することができた。今回の発表はF1というスポーツにとって大きな損失であると思うが、この決断に至った背景はよく理解できるものだ。われわれのチームに対する今までの貢献に対して深く感謝の気持ちを述べたいのと同時に、2006年シーズン一緒に戦えることを楽しみにしている。われわれにとってもミシュランにとっても来るべきシーズンが成功に満ちあふれたものになるようベストを尽くしていきたい」と語り、ミシュランの撤退がF1にとって大きな損失となると示唆しました。

 しかし、FIAのマックス・モズレー会長はミシュランの撤退について「長年に渡るミシュランの貢献に感謝していると申し上げる。しかしわれわれが示したタイヤのワンメイク化は、必ずやF1を公正で、安全で、コストの削減につながるものだ。ましてや2005年のアメリカグランプリのようなことが起こる事態を回避することになるね」ときつい皮肉を込めてコメントしていました。もちろん2005年のアメリカグランプリとは、ミシュランタイヤの欠陥によりブリヂストンユーザー6台だけの決勝レースとなってしまった、F1史上例を見ない不祥事のことですね。

 ちなみにF1タイヤにおいてはグッドイヤーが通算368勝で歴代の断然第1位。これにブリヂストンの95勝、ミシュランの93勝。以下、ダンロップ83勝、ファイヤストン49勝、ピレリ42勝、コンチネンタルとイーグルバードの10勝と続いています。

 さてさて、今回のミシュランの撤退発表、僕的にはミシュラン側の「こんなF1やってられっか!」的な反抗精神があってなかなか潔くカッコイイと思いましたね。頭の悪いモズレーが2005年アメリカグランプリの不祥事を引き合いに出していますが、「そもそもオメーがバカなルールばかり作るからあんなことになったんじゃねーか!」と声を大にして言いたいものですな。自分で「レース中のタイヤ交換禁止」という馬鹿げたレギュレーションを作っておきながら、それに対応できなかったミシュランをケチョンケチョンにして責任転換していますからねえ。

 だいたいミシュランはブリヂストン(ファイアストン)と違ってアメリカのレースには出ていないわけですから、インディアナポリスのデータなど持っているわけないんですから!しかも今シーズンから1レースフルにタイヤを持たせなければならなくなったわけですから、当然昨年までのコースデータなどまったく意味を成さないわけです。
 しかもインディアナポリスが事前の通達も事後報告もなしに勝手にコースの舗装を替え、細かいくさびのような鋭い溝を入れてしまったわけですから、いきなりグランプリにやってきて路面がそんな状況になっていたら、いくらミシュランと言えど為す術などありゃしないですよ。
 そのくせFIAとインディアナポリスの運営者は、まるでミシュランだけが悪いと言わんばかりに、観客への補償を要求してきましたからねえ。ミシュランがそのすべての補償を被ったのは、まったくもって美談でしたね。本来なら、FIAとインディアナポリスとミシュランの3者で折半にするべきだったんですよね。

 何度も言いますがミシュランはレギュレーションの犠牲者に他なりません。それなのにここまで馬鹿にされブライドを傷つけられたら、もうF1なんかにいる必要などどこにある!

 ま、そんなわけですから、ミシュランユーザーの僕としては残念ではありますが、馬鹿なモズレーがFIAに君臨している以上、ミシュランはさっさとF1から撤退してしまった方が時間もお金も無駄遣いしなくて済むというものです。ブリヂストンとゆかいな仲間たちで、勝手にやれば?って感じですな。

 ということは、2007年からは全チームがブリヂストンタイヤを履くことになるわけですから、今シーズンのようにライバルチームがみんなミシュランタイヤで、タイヤテストの絶対数が少ないからと言ってテスト日数制限の紳士協定を破り、見境なしに単独テストを繰り広げてきたフェラーリも、2007年からは言い訳できませんからそんな暴挙もできなくなると言うことですな。

 もし仮にフェラーリが2006年も不調で、タイヤがワンメイク化された2007年も協定無視の単独テストを続けたら、もうわたしゃ心底フェラーリを憎みますぞ!



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