Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 「カウンタック」に温めていたネタを先越される
2005年12月15日(木)

 スーパーカーブームを懐かしむのとクルマ関係の漫画だと言うことで、梅澤春人の漫画「カウンタック」を集めているのですが、その最新巻である第4巻が出ていたので、早速買ってきました。

 ところが、この「カウンタック」の第4巻で、僕が以前から温めていた「マツダイラ」用のネタが先に使われてしまい、参ってしまいました。あ〜悔しい!悔しいったらありゃしない!それこそ次回第12話で使おうと思っていたネタだったのに……。

 「マツダイラ」では第5話で産業スパイのエピソードを書いたら、そのすぐ後に現実にトヨタF1のスパイ疑惑が浮上して予言したかのようになってしまいましたが、まだこれは「マツダイラ」の発表の方が先だったから良かったんですよね。
 ところが、先月公開した第11話では、マツダイラF1のチーム体制が具体的に明らかとなるのですが、このエピソードを書いている最中に実際にF1界では「スーパーアグリ・フォーミュラ1」がチーム体制を発表し、ちょうど「マツダイラ」でもリリースペーパー形式でチーム体制を発表するつもりだったので、スーパーアグリの二番煎じみたいになってしまって悔しかったんですよね〜。まあ元々やろうと思っていたことだったので変えませんでしたが。

 しかし、今回の「カウンタック」で先越されてしまったネタは、構想は漠然と決めていたにしろ、まだこちらは書き始めてもいない段階で、しかも「カウンタック」の方は僕は連載は読んでいないのですが、単行本で今出てきたと言うことは、そのだいぶ前に連載で登場してきたということになり、今このネタを「マツダイラ」で書いてしまうと、完全に「カウンタック」のパクリと言われてしまいそうです。

 そんなわけで、このネタはボツにするので、ここで公表してしまいましょう。

 実は、「マツダイラ」に登場するケン・マツダイラはいわゆる“中年走り屋”で、若い頃から静岡市にある日本平という走り屋のメッカと言われるスポットで走り込んでいるドリフトの達人なんです。(この設定自体が、すでに「頭文字D」のパクリだと言われそうですが……)
 日本平は実在する場所で、日本三大絶景に一つに数えられる場所でして、実際昔から走り屋やライダーたちのアタックスポットとして有名でした。僕の自宅からも近いので僕もしょっちゅう走りに行くのですが、日本平には今でも血気盛んな若い走り屋に混じって、いわゆる“ベテラン”と呼ばれる中高年の走り屋さんたちがいたりします。走り屋と言っても一般的にイメージされそうな“ならず者”などではなく、話すと皆さん気さくでいい人ばかりで、家ではいいお父さんだったり奥さんに頭が上がらなかったりする普通のおじさんたちなんですね。そしてケン・マツダイラもそんなクルマをこよなく愛し、走ることを楽しむ中年走り屋なのです。

 さて、数々の伝説や名勝負を生み出し、今でも様々なエピソードが語り継がれている静岡市屈指の走り屋スポット日本平ですが、15年ぐらい前から走り屋に対する規制が厳しくなり、かつてのドリフトスポットや数々の伝説のコーナーには、センターラインに「キャッツアイ」と呼ばれる視線誘導標が埋め込まれていて、その区間での車線をまたいだドリフトが不可能となってしまいました。

 で、この今では誰もセンターラインを越えてのドリフトをしなくなった日本平で、ケン・マツダイラはキャッツアイをまたいでクルマの前輪と後輪の間に通し、その状態で2車線をめいっぱい使ってスライドしたまま、窓を拭く雑巾のようにコーナーを抜けていくという荒技を披露する予定だったんです。要するに、それだけケン・マツダイラは優れたドライビングテクニックと度胸を持っていて、さらに未だに若い走り屋でもしないような無謀で大胆な走りをするようなクレイジーな中年であることを描きたかったんですよね。

 ところが、「カウンタック」の第4巻では、見事にそのキャッツアイをまたいでのドリフトを先に描かれてしまっていました。しかもその無茶なドリフトをしたのはカウンタック!これではもう僕の方は何も書けませんよ。僕が考えていたアイディア以上のことを先にやられてしまっていますからねえ……。

 というわけで、このエピソードはボツにすることになりました。



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