Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 ジャック・ビルヌーヴ、F1残留!
2005年12月04日(日)

 F1からこの話題。

 今シーズン、ザウバーに在籍していた97年ワールドチャンピオンのジャック・ビルヌーヴは、ザウバーと2006年までのドライバー契約を交わしていました。しかし、今シーズン途中にザウバーがBMWに買収されることが決まり、チームは2006年から「BMWザウバー」として新体制になることになりました。で、ビルヌーヴは旧ザウバーのペーター・ザウバー代表とは良好な関係を築いていましたが、BMWの首脳陣は今シーズン思うような結果を挙げられなかったビルヌーヴに難色を示しており、ザウバー時代のビルヌーヴとの契約を破棄し、新体制となった来シーズンは彼をチームから放出するのではないかと囁かれていました。

 しかし、BMWザウバーは今月1日、2006年のレギュラードライバーとして、ジャック・ビルヌーヴが確定したことを発表しました!これでビルヌーヴは晴れて来シーズンもF1ドライバーとして現役続行が決定したことになります。ちなみに、すでにウィリアムズからニック・ハイドフェルドがBMWザウバーに移籍することが決定しているため、ビルヌーヴのチームメイトはハイドフェルドと言うことになります。

 BMWのディレクター、マリオ・タイセン氏は「われわれはビルヌーヴの昨年の仕事ぶりに注目していたが、前半戦こそまだ以前のようなパフォーマンスを発揮できていなかったものの、後半戦では本来の走りを取り戻しつつあった。われわれの新しいチームに、彼が貢献してくれるものとして期待している」とコメントし期待を寄せています。またビルヌーヴも「僕はかつてBARで、新チームを軌道に乗せるまでの仕事の困難さを嫌というほど経験している。この経験が、BMW新チームにおいてもきっと役に立つと確信しているよ」と語りました。

 僕はもともとビルヌーヴは好きなので、ビルヌーヴ残留決定のニュースは嬉しかったです。しかし反面、アメリカのカートチャンピオンという肩書きをひっさげ、インディ500も制して96年に鳴り物入りでウィリアムズからF1デビューを果たし、デビュー戦でいきなりポールポジションを獲得し、決勝でも2位という好成績を収め、デビュー2年目の97年に早くもワールドチャンピオンに輝いたビルヌーヴが、まさかここまで残留でやきもきさせられるとは……。
 かたや今シーズン共に戦ったチームメイトのフェリペ・マッサは来シーズンフェラーリへ。ビルヌーヴにとっては、父親であるジル・ビルヌーヴもフェラーリドライバーだっただけに、マッサのフェラーリ行きは複雑な心境だったでしょうねえ。

 まあ、確かにビルヌーヴは2003年の最終戦鈴鹿直前にBAR放出が決まり、その落胆から鈴鹿を欠場し、翌2004年は事実上浪人状態。シーズン残り3戦はルノーでレースに復帰しますが、結果は今ひとつパッとせず、結局ルノーのレギュラーシートを得ることはできませんでした。
 今シーズンはザウバーで走りましたが、マリオ・タイセン氏が語るように、シーズン序盤はマッサの後塵を拝し、なかなか結果を残すことができませんでした。
 事実上BMWの単独参戦となるBMWザウバーは、そのデビューシーズンから勝負に出るために、ビルヌーヴを残留させるべきか否か、相当悩んだでしょうね。今シーズンの後半から調子を上げ始めたビルヌーヴが来シーズンも上り調子のままいけるのか、あるいは再び序盤は不調でスロースターターなのか、これは大きな賭でしょうからねえ。

 実際のところ、旧ザウバーとビルヌーヴとの間で交わされていた契約はかなり強固なものだったようで、それを破棄するためには、BMWはビルヌーヴに対して相当の代償を支払わなければならないと言われていました。
 今回のビルヌーヴ残留の背景にあるものは、果たしてマリオ・タイセンが言うような、ビルヌーヴの実力を買ってのものなのか、あるいはデビューシーズンの資金を少しでも確保するための妥協の結果なのか。その真意は我々には知るよしもありませんが、ビルヌーヴは無事首が繋がったわけですから、来シーズンはBMWを唸らせるような活躍を見せて、タイトル争いを引っかき回して欲しいものです。

 来年頑張らないと、今度こそ引退に追い込まれそうですな……。



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