Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 1分40秒の明暗
2005年05月29日(日)

 F1第7戦ヨーロッパグランプリ決勝、いや〜すごい結末になってしまいましたな。レースを最後までリードしていたマクラーレンのキミ・ライコネンでしたが、ハードブレーキングによるホイールロックでタイヤにフラットスポットを作ってしまい、それによりタイヤの表面がデコボコになってしまったためにマシンに激しい振動が出てしまうという展開。チームはタイヤ交換をせずに何とか2位アロンソの猛追を振り切って最後までトップをキープする作戦に出ましたが、ファイナルラップに突入した直後の1コーナー手前で、タイヤが悲鳴を上げる前にサスペンションが振動によって壊れてしまい、結局ライコネンはゴールまであとたった1周というところで力尽きてしまいました。
 この結果、ライコネンほどではないにしろ同じくタイヤがすでに限界に近い状態で、苦しみながら2位を守っていたアロンソが、最後の最後で幸運に恵まれて逆転勝利をものにし、価値ある4勝目を挙げました。これによりアロンソは10ポイントを加算して59ポイントとなり、ランキング2位ライコネンは今回10ポイントを獲得するはずがゼロポイントに終わり、その差は一気に32ポイントにまで広がってしまいました。

 レースというものは、本当に最後までわからないものですね。ライコネンも何とかタイヤを持ちこたえさせようと祈るような気持ちで走り続けていたと思いますが、まさかサスペンションの方が根を挙げてしまうとは……。
 今回のレースの舞台であるニュルブルクリンクは、1周を1分30秒台で走ることができますから、時間にしてあと2分、いや、ライコネンのタイヤが限界だったことを考えても、せめてあと1分40秒サスペンションが持ちこたえてくれれば、ライコネンは何とかフィニッシュラインまで辿り着くことができたんですけどねえ。
 今回アロンソがゴールするまでのレース時間は1時間31分46秒でしたから、そのうちのたった1分40秒という時間が、アロンソとライコネンの明暗を分けてしまったことになるわけです。

 ライコネンは第5戦スペイングランプリと前戦モナコグランプリで連勝し、一気に追い上げを見せようとしていたのですが、ここでのノーポイント、そしてアロンソに10ポイントを持って行かれたのは痛いですなあ。今年のポイントシステムだと、1位10ポイントに対して2位8ポイントですから、仮にここからライコネンが再び連勝街道を突き進んでも、アロンソも確実にポイントを獲得していけば、なかなか32ポイント差は縮まりませんからねえ。しかも今年のルノーは昨年にも増して信頼性が優れていますし、アロンソはここまで全戦ポイントを獲得していますから、今後も安定してポイントをコンスタンスに獲得し続けることでしょう。

 今年のチャンピオンは、このままアロンソになってしまうのか?それとも……。



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