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■ マクラーレン、ニュースペックをテスト
2004年06月01日(火)
昨年キミ・ライコネンがチャンピオンのミハエル・シューマッハ(フェラーリ)にわずか2ポイント差のランキング2位に輝きながら、今年はマシンのパフォーマンス不足と深刻なエンジンの信頼性不足にあえぎ低迷しているマクラーレン・メルセデス。第7戦終了時点でクルサードは4ポイント、ライコネンに至ってはわずか1ポイントと長いトンネルを抜け出せないでいるマクラーレンは今日、起死回生を狙って現行マシンの改良型「MP4/19B」のテストをシルバーストーンで開始していまする。テストはライコネンが担当し、残念ながらウェット・コンディションの中のシェイクダウンとなっています。このシャシーのモノコックはMP4/19から変更されているが、既にFIAのクラッシュテストも通過しているようで、外見上の大きな変更点は、フェラーリのF2004にも似たリア周りと、ルノーのR24にも似たエンジン・カバーになっているそうです。もちろんこれから続くアメリカ大陸での連戦には間に合わないですが、マクラーレンにとっては大忙しの期間が続きそうです。
「これはアップデートされた車だ。実質的にほとんどすべての部品は同じものだ。しかし、ボディーワークは大きく改良されている」とマクラーレンのチーフ・デザイナー、エイドリアン・ニューウェイ氏は語っています。注目のシルバーストーンでのテストでは、朝方は雨でウェットコンディションだったため、慎重に数ラップをしただけのキミ・ライコネンですが、午後路面が乾くとさらに順調に周回を重ね、この日トータル46ラップを周回。ベストタイムも1分22秒110とトップのルノーに僅差の2番手として続き、トラブルらしいトラブルもなく好走しました。
しかしこのMP4/19B、積んでいるエンジンは現行のMP4/19とまったく同じエンジンなんですよね。メルセデスエンジンの信頼性不足は98年後半から深刻化して年々悪化の一途を辿っていますが、今シーズンは特にひどく、第7戦ヨーロッパグランプリ終了時点で積み上げてきた2台合計の8つのリタイヤのうち、7つがエンジンブローによるリタイヤという再起不能の状況に陥っています。いくらマシンを改良して速さとバランスが改善されたとしても、肝心のエンジンが1レース持たないんじゃ、まったくもって意味がないと思います。マシンを改良するよりもエンジン開発に資金を回して、少しでも信頼性を回復させることを優先するべきだと思うのですが……。
この際ですからマクラーレンは、思い切って95年から続いているメルセデスとの蜜月関係に終止符を打ち、別のエンジンメーカーとのパートナーシップを模索した方が賢明だと思います。できればホンダと契約を結んでマクラーレン・ホンダを復活させてもらいたいですね。初めのうちはエンジンとシャシーのマッチングが合わないかもしれませんが、長い目で見ればこのままメルセデスエンジンを使っているよりもよっぽど未来は明るいと思います。昨年はメルセデスエンジンのおかげでキミ・ライコネンのタイトル獲得が失われてしまいましたからね。もし昨年のドイツグランプリでライコネンのエンジンがブローしていなかったら、昨年のチャンピオンはライコネンでした。
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