 |
 |
■■■
■■
■ 横綱朝青龍の相撲
2003年11月19日(水)
現在大相撲九州場所が行われていますが、今日11日目の時点で横綱朝青龍と大関栃東が1敗で並んでいますね。さて、今場所は7日目に横綱武蔵丸が引退し、再び横綱は1人だけとなってしまったわけですが、現在唯一の横綱である朝青龍は、本当に強く安定した横綱だと思います。しかも彼はご存じの通りモンゴル出身なので、そのスタイルはモンゴル相撲が根底にあり、横綱でありながらあえて相手の足をかけてバランスを崩す戦法が特徴だと思います。
本来相撲というものは、両足がしっかり地面について重心を落として踏ん張るのがもっとも理想ですが、あえてその絶対的な安定感を捨てて、相手の足をかけにいくというリスクの高い戦い方を横綱になっても続けているというのは、それだけ体のバランスが優れており、下半身が安定していると言うことなのでしょう。彼の相撲は全盛期の元横綱若ノ花(花田勝)のスタイルに似ているんですよね。若ノ花は怪我に泣き結局横綱になって1回も優勝することなく引退してしまいましたが、朝青龍はまだまだ若く怪我もないのでこれからも活躍してくれることでしょう。
近年の横綱では、曙、武蔵丸は力で強引に突き放すハワイ人特有のスタイルですが、若ノ花、朝青龍が巧みな技を使った職人的な横綱、そして貴乃花は正統派の横綱と言えるでしょう。貴乃花は相手の足をかけることなく、しっかりと両足を地面について、その安定した下半身が最大の武器でしたが、がっぷり四つに組んだときに、一度相手をぐっと押し、相手がそれに反発したのを利用して今度は一気に引き込んで投げるという、相手の力を利用した投げが印象深かったです。
朝青龍は全盛期の貴乃花に比べるとまだまだ物足りなさは残りますが、これからもっともっと強くなっていくのではないでしょうか。引退した若貴兄弟も口を揃えて「朝青龍は末恐ろしい存在になるだろう」と言っていますので、モンゴル相撲を活かした巧みな技で「魅せる相撲」を披露して欲しいですね。
|
|
 |