アイゾウ

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2021年06月21日(月)
スチール。3



近況報告をしながら、
腕時計と窓を見比べる。
あ、時間を気にしてると
思われたら嫌だ。
私は唐突に言った。


「暗くなるのが楽しみです」


「ここは夜景が綺麗でしょうね」


急なパスにもばっちり対応して
くれるサラくん。
その後私は暗くなるまでずっと
仕事のグチを言い続けて、
あまり可愛くはなかったと思う。


「蝋燭の灯りが強くなりましたよ」


そうサラくんが言う。
外は夕暮れから夜になった。
変化していく空を楽しみにして
いた私は、目の前の蝋燭までは
気がまわってなかったから、
教えてもらえて得した気分。
確かに先程より光が強くなった
蝋燭は、私達の間で燃え続ける。


「指輪、新しいのにしたの?」


「あ、そうです。自分で買ったの」


私の右手の指輪が変わったのを
めざとく?しっかり?気づいて
くれるサラくん。
以前にお店で一緒に見たのと
同じですね、と甘い記憶も
おまけにつけてくれた。


でもそこまで。
サラくんから触れてくることは
なくて。指輪の話ついでに手を
とられることも何も無い。
もどかしくて切なくて、
ジェントルマンでスマートで。
個室だったらよかったのに、
なんて私は思っていた。



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